スーパー戦隊シリーズ『秘密戦隊ゴレンジャー』感想 その10

 

遂に第10回。第50話までの感想です。

前回からかなり日数が空いてしまったのは、単に色々と忙しかったため。49話までは順当に書いていたのに、50話までに4ヶ月ほど空いてしまいました。そのため記憶がちょとリセットされてもいるんですが、ここからは良いペースで再開できるよう頑張ります。というか久々に観たらめちゃくちゃ面白かったです。

 

 

 

 

 

 

 

第46話「黒い超特急! 機関車仮面大暴走」

黒い超特急!機関車仮面大暴走

 

街中を走り続ける機関車仮面の目的は?という謎だけで30分引っ張るという異色の回。1975年にSLが全廃になったそうで、何かと悲壮感の漂う怪人ですね。怪人として生まれた時はきっとSLの全盛期だったんだろうな…。ペギーと明日香が定期パトロール中にいきなり機関車仮面に出くわすという唐突なスタート。ゴレンジャーの定期パトロール、いつも黒十字軍の何かに出くわすのでそういう意味ではすごく意義のあるパトロールと言えるのかもしれません。トンネルからSLの音がすると思ったら、「シュッシュッポッポ!」を連呼する機関車仮面の登場。あまりに異様な光景でした。さすがの二人も突然すぎて1度はスルーしてしまう。追いかけて問い詰めるとやっぱり黒十字軍。しかしその目的は機密事項だとして明かしません。機関車仮面、態度が子供じみているのもいいんですが何より目がかわいい。石炭を入れてフルパワーを発揮すると、突撃だけでゴレンジャーマシンを吹き飛ばすほど。ミドパンチャーは効かないし、モモの爆弾も当然効かない。マジでモモの爆弾が効く怪人が全然いないんですけども。ゾルダー蹴散らすくらいしかできないですよね。ただの体当たりだけでめちゃくちゃ強い機関車仮面は、ミドとモモを吹き飛ばし走り続ける。木の上にまで吹き飛ばされたミドが哀れ。

 

人目を気にせず街中を走り続ける機関車仮面。人々のリアクションからするとゲリラ撮影なのでしょうか。思えば青すじ仮面も街中を走っていたけれど、アイツは毒矢が自分に刺さっちゃって自業自得でしたね。それを見ながら作戦を立てるゴレンジャー。どうやら2時間も走っているらしい。マラソンか? フルーツパーラーになったゴンには女性客も増えたようで、やっぱりメニューからカレーは消えてしまったらしいです。そう聞くと急にスナックゴンが懐かしく思えるから不思議。大ちゃんがカレーおかわりし続けるの好きだったんだけどなあ。1杯はもらえていましたが、もっと食べていてほしい。敵が用意したのを食べるのはダメだけど。そこに突如として現れる機関車仮面。またもやラッキーでゴンにたどり着く怪人が…!エレキ仮面があんなに時間を掛けて基地を突き止めようとしていたのに、こいつはどうしてこんなにあっさりと…!要求はお水で、あんまり動きすぎるとオーバーヒートしてしまうらしい。ちゃんと007にお礼を言うの偉いですね。丁寧な怪人大好きなので結構好きかもしれません。一方で機関車仮面の足に何かが取り付けられていたのを見逃さなかった江戸川総司令。

 

とりあえず大ちゃんが接触を図ろうと、機関車仮面と一緒に走ることに。新幹線には勝てないでしょと煽られて石炭を入れて加速、見事新幹線を追い越すほどに。いや、これは強い。強すぎる。その後土手で大ちゃんと語らう機関車仮面。しかし大ちゃんの正体を見破っており、バトルに突入。分かってたならどうして新幹線を追い越したりしたんだ…。挑発に乗りやすいタイプのようです。ゴレンジャー随一の力持ち、大ちゃんでも機関車仮面を止めることはできず、その隙にペギーと明日香がモモセセリなる蝶型の小型探知機で機関車仮面と総統達の話を盗み聞き。にしてもでかくて不自然だな、モモセセリ。そこで分かったことによると、機関車仮面の目的は足につけた地底探知機で地層を調査し、ゴレンジャー基地を突き止めることにあったよう。マグマンが来てからはとにかくゴレンジャーの本拠地を潰そうという作戦が多いですね。マグマン自体ナバローン要塞という砦を持っているので、それが大きいのかもしれない。

 

出撃したバリドリーンを迎え撃つコンドラー。そのまま海城のバリタンクも出撃し、敵の基地を破壊していきます。バリタンクの登場で地中も水中もいけるようになったの、バリドリーンの空も併せて本当に万能ですね。ゴンも破壊されたわけだし、黒十字軍の基地はめちゃくちゃにしてもいい。しかしナバローン要塞が登場しバリタンクを攻撃。海城は火薬庫の爆破に成功するものの、それに気づいたマグマンはナバローンを切り離して逃走。ナバローンこれがあるので全然破壊できないのが惜しいですね。しかしこれによりデータを破壊できたため、機関車仮面の走りは無駄に。

 

残されたミド達は石などでバリケードを設置。これで本当に機関車仮面を止められると思ってるのかよ…。やって来た機関車仮面は機関車部分だけのモードになって突進し、見事バリケードを突破。しかしアカレンジャーがバリタンクで迎え撃つ!キでも勝てなかった機関車仮面ですが、さすがにバリタンクの馬力の前では無力。アカは「轢き潰してやる!」の言葉通りに倒れた機関車仮面をバリタンクで轢きます。無慈悲か。しかしまだまだ倒せない機関車仮面。バトルに突入し、ゴレンジャーハリケーン石炭が繰り出される。しかしパスの途中でハリケーンを奪う機関車仮面。必殺技がラグビー形式になったことでパスだけでなく、たくさんのパターンが加わったのはいいですね。投げ返されたハリケーンをモモがキャッチし、アカの「SLは坂道に弱い」という言葉を元に機関車仮面をキーステッカーのじゃんけんで挑発し坂道に誘導するキレンジャー。普段おちょくられている分、怪人をおちょくらせると右に出る者はいないですね。にしてもどんどん挑発に乗ってくれるな…。新幹線追い越してくれた時もマジだったのかもしれない。そのままゴレンジャーハリケーンを喰らってしまい、煙突に石炭が詰められ爆発。断末魔は「わしの時代は終わった」という機関車ならではの言葉でした。いやこれ坂道に誘導する必要なかっただろ。

 

 

第47話「赤い大逆襲! 怒りのゴレンジャー」

赤い大逆襲!怒りのゴレンジャー

 

サムネが氷漬けの江戸川総司令だったのでビビっています。今回の怪人、鳥牙仮面の作戦はバリドリーンとバリタンクの奪取。それによってゴレンジャーサイドの戦力を削ぎ、黒十字軍の力を高めていこうというのが狙いのよう。そのためにまずバスごと幼稚園児を誘拐。ゾルダーに一人だけやけに恰幅のいいのがいるのが気になる。にしてもこの鳥牙仮面、瞳がきれいですね…。仮面ライダーエグゼイドみたいだ。バスごと幼稚園児を誘拐するので子どもがたくさん出てくるわけですが、彼らがゴレンジャーと関わることがないというのも一つの特徴。第一話では「大丈夫だからね」と子ども達をなだめる保母さんにも焦点が当てられていましたけど、今回はメインがそこじゃないらしくかなりあっさりとした手つき。

 

バスの行き先が何もない原っぱだということを知ったゴレンジャー。罠だと分かっていながらも人質がいるので飛び込まずにはいられない。案の定黒十字軍は戦車まで用意してバリドリーンを待ち構えていた。そこにコンドラーが登場し、スパイダーネットでバリドリーンを捕獲! 本当にこの世界では網が有能すぎる。と思いきやプロペラを回して網を切断。遂に網が敗北する時が来ました。焦った鳥牙はバスに時限爆弾を仕掛けるよう命じます。というかゴレンジャー、バリドリーンだけでなく並行して地上メンバーも配置して挟撃すればいいのに…。いっつも分かれて行動するのに何で今回に限ってバリドリーンに5人乗ったんだよと思っていたらバリタンク投下!やけにメカの活躍が書かれるので販促回だったのかもしれない。無事に園児達を救出し、めでたしめでたし。

 

かと思いきや、鳥牙仮面は諦めていなかった。怪人は作戦が失敗しようとも倒されるまでは襲ってくる。逆に言えば倒されればどんなに良い作戦でもそれが次の怪人に引き継がれることはない、というのが昭和特撮のお約束。作戦会議に出向く江戸川総司令を護衛するゴレンジャー。ゴレンジャーマシーンを使ったら素顔だとしても護衛なのバレバレだろうに。そこにはやはり黒十字軍の魔の手が迫り、コンドラーで車ごと総司令を持っていかれてしまう。めっちゃ怖いなあの拉致…。というか江戸川総司令の正体って知られていいんでしたっけ。総司令なのかどうか吐かせるために頑張ってた怪人もいたような。そのまま冷凍される江戸川総司令。なんで冷凍されてるんだよ。意味わからなすぎて確かに怖いけどさ。バリドリーンとバリタンクを引き換えに総司令を解放すると言われて、すぐに出向こうとするゴレンジャー。しかし総司令が残したカセットテープには、仮に自分に何かがあってもバリドリーンとバリタンクだけは守り、そしてゴレンジャー基地の場所だけは知られないようにと記録されていた。総司令、覚悟がエグイ。

 

確かにメカの戦力を削がれるのはかなり痛いので、途方に暮れるゴレンジャー。そこで太郎くんがなぞなぞを出すと、その答えであるトロイの木馬に海城がヒントを得る。なぞなぞ、毎回出されてたのにゴレンジャーの作戦のヒントになるパターンはそういえばなかったですね。そして現地へ赴くゴレンジャー。江戸川総司令は冷凍カプセルから出されていた。マジで何で冷凍されてたんだよ。バリタンクと引き換えに総司令を奪還。そのままバリドリーンも持っていかれる…かと思いきや、バリタンクには007が乗っていました。それにより地上のゾルダーの不意を突いて一掃。バリドリーンで大暴れしようとする鳥牙はオートコントローラーによって、緊急脱出装置みたいに座席ごと飛ばされてて面白かったです。パラシュートつけてもらえるの優しい。

 

今回はアクションも新鮮でした。キが近くにいるのに爆弾を投げてしまうモモ。「危ないだろ~」とかで済んでたのでよかった。でもモモの爆弾って本当に殺傷能力があるのか疑問なくらい怪人に効かないですからね…。鳥牙戦も、アカとアオ、キとミドの共闘が見られたりと、ありそうでなかったタッグ技がどんどん出てきて面白かったです。確かに5人バラバラに戦う姿がカメラで映し出されてる時点で、多分当時の映像からしたら斬新なんでしょうけど、こういうタッグ組むパターンももっとあってよかったですよね。今のスーパー戦隊では普通だし。とどめのゴレンジャーハリケーンは青い鳥。髪飾りに欲しかったんだよな~と言って頭に載せちゃう鳥牙がかわいい。それまではマトモな怪人でもゴレンジャーハリケーンに対してはもう絶対ノリツッコミをしなくちゃいけないルールなので、多種多様でいいですね。

 

 

第48話「黒い補給基地! 遊園地危機一髪」

黒い補給基地!遊園地危機一髪

 

かなり久々の高久・新井脚本。調べたところ第30話以来…つまり18話ぶりでした。びっくりするほど情報量の詰まったナレーションから始まるこの48話。要約すると、イーグルが通常の20倍の高性能を発揮する航空機用の燃料KLCを開発したぜ…!という感じ。これでバリドリーンとかに応用すれば黒十字軍への勝利は間違いなし。しかしイーグルも結構軍備拡張に力を入れている組織ですよね。正義のためとはいえ、結構あらゆる兵器を開発しているので政府の統治下にはいられないかもしれない。そしてまあ、イーグルが何か大きな発明をした時というのは、絶対に黒十字軍にそれがバレており、絶対に黒十字軍にそれを使われてしまうのです。

 

今回もKLC輸送中に速攻で襲われるタンクローリー。いっつもゴレンジャーが護衛ついてるのに何で今回はいないんだ。乗っ取られたタンクローリーはドリームランドという遊園地へと向かっていきます。おそらくこの遊園地とのコラボ回と思われるというくらいドリームランドが出てくる。対するゴレンジャーの海城・ペギー・明日香は偽物のタンクローリーで敵を誘き出す作戦に。まんまと騙されたのがカメラ仮面。ストロボ爆弾なる技で応戦しますが、ゴレンジャーの猛攻に太刀打ちできず、マグマンがナバローン要塞を出してその場を収めることに。突然目の前にあの要塞出てくるのマジで恐ろしい。

 

ドリームランドに戻って行方不明のタンクローリーを捜索する海城達。するとアナウンスされた迷子の子供がどこにもいないとの情報が。ペギーと明日香はドリームランドの宣伝を兼ねた園内捜索へ。イッツアスモールワールドみたいなアトラクションでマネキンに化けたおっさんがナイフ投げてくるのが面白かったですね。結局明日香に当てられず怒られるのもよかった。そして喋る大量の着ぐるみ。全員中身ゾルダーなら、着ぐるみ脱がないほうが不気味だったかもしれません。映画の『ウィリーズ・ワンダーランド』じゃないですけど、ああいう着ぐるみが悪感情を持って接してくるのって結構怖いので。戦おうとするペギーと明日香でしたが、女の子を人質に取られているためにうまく身動きができず…。

 

一方でお留守番だったアオとキも行動を開始。今度はイーグル隊員を装ってわざと囮になり負ける作戦に。奪われたタンクローリーには海城が乗り込み、そのままゾルダーに変装してドリームランドへ。しかしカメラ仮面の記念写真…ならぬ透視カメラによって正体は既にバレていた。燃料をホースにつないだところで黒十字軍に囲まれる海城。現れた明日香達を助け出そうとするものの、カメラ仮面は燃料に火をつけて火の海にしようと企む。いやいやもったいねえだろ!! 通常よりすごい燃料だって謳ってだからこそアンタら黒十字軍もその確保に動いたのにどうしてそんな普通の石油でいい使い方しちゃうんだよ! とはいえ海城が持ってきたのはただの水だったので、カメラ仮面の作戦は徒労に終わる。

 

その後のセリフによるとコンドラーにKLCを搭載し、東京大空襲を行うことがカメラ仮面の目的だったらしい。なら尚更火の海とかに使うなよ。人質の女の子はゾルダーに化けたアオとキが奪還し、もうゴレンジャーが躊躇する理由はない。ならばドリームランドのタンクを爆発してもう火の海にしてやるぜ!とヤケクソになるカメラ仮面。いやマジで…作戦の本質を見失うなよカメラ仮面。そんなちっちゃい遊園地を潰したい程度の男だったのかお前は。しかもその爆弾もあっさりゴレンジャーに発見されてしまう。最終兵器のナバローンもバリドリーンで攻撃されて撤退する始末。カメラ仮面、50話を目前にしてなぜこんなポンコツ怪人が生き残っていたのだろうか。ただ、現れるゴレンジャーを一人一人望遠レンズで確認し、名前を言ってくれる演出はよかったです。

 

アクションはトランポリンで跳ねるキが楽しそうでした。遊園地を広く使ったアクションだったけど、もっとコーヒーカップとかバンバン使ってほしかったなあという印象。ストロボ爆弾も利用されちゃって、カメラ仮面は本当に間抜け。ゴレンジャーハリケーンは「レンズカバー&マグネシウム」。海城のイントネーションを正確に表すのなら「レェンズカバーエーンドマグネッシュー!」でした。ボールが何かに変化するでもなくただレンズに蓋をされ爆散するカメラ仮面。うわっ、オチまでなんと特徴のない怪人だ…。ドリームランドの宣伝もうまくいっていたか?と訊かれると首を傾げざるを得ない。久々の高久・新井脚本でしたが何とも奇妙な回だったように思います。

 

 

第49話「みどりの大脱走! 卍のトリックプレイ」

みどりの大脱走!卍のトリックプレイ

 

まさかのパリスタート。いきなりロケットスタートの曽田脚本でした。トリッキーな仕掛けが飛び出す曽田脚本の中でも、今回は一番規模の大きい回だったかもしれません。それくらいめちゃくちゃ。でも面白い。かなり勢いのある印象的な回でした。

 

明日香とペギーがパリにいたのは、新鋭ロボット・フランケン1号の設計を学びに行っていたため。主にペギーが学んでいたようなので、明日香は護衛だったのかな。1万度の高熱にも耐え、放射線も効かないという高性能ロボット。そりゃあまあ黒十字軍も狙うよなあということで、既につの骨仮面は動いていました。イーグルにそっくりな研究所を作ってペギー達を騙すという大胆な作戦。ヒーロー側がちょっとおバカな怪人を騙す時に使うような手を、まさか怪人がやるとは。というかどこにこんな労力かけてるんだよ。パリからフランケン作れる人誘拐してきていつもみたいに家族を人質に取ればいいのに…もしかしたらつの骨仮面は平和主義者なのかもしれない。最初は「大丈夫か?」と懐疑的だったのに、通信も遮断してますし特殊金属の壁だから出られませんよっていう雑プレゼンだけで素晴らしい作戦判定しちゃう総統も総統。この作戦の肝はペギー達に違和感を抱かせないことにあるので、そこをうまくやってほしい。

 

海城達の前に現れるつの骨仮面。ペギー達を迎えに行くのを阻止するためである。ここで迎えに行かれたら全てが終わるので…。首が取れるというよく分からない能力だが、要は攻撃があんまり効かないらしい。体をバラバラにしても意味ないよーということなのでしょうか。もうこの時点でこいつの能力が全然フランケン1号とか超えてる気がしないでもない。ただ、肩をゆらゆら揺らす動きは不気味でいいですね、つの骨仮面。そのまま逃走し、今度はペギー達の前に出現。ペギー達を襲撃した流れで落とし穴に落とし、気絶させる。そして彼女らが目覚めると、既にそこはイーグル研究所を模した黒十字軍のアジトという流れ。つの骨仮面が直接ペギー襲うよりもしれっと研究所に案内するほうがよさそうだけど、正規ルートと違うことに警戒してたし研究所の見た目も廃墟なので1回は気絶を挟まなきゃいけなかったのかな。

 

そこでペギー達に急ぎフランケン1号を作るよう要求。マグマンが江戸川総司令の声真似をするなど、かなり緻密に計算されているらしい。やってることはかなり大胆でバレればすぐに終わるのだけれど、リアリティをある程度保てているのがすごい。というかこれ絶対、ギャグマンガとかでやるべきことですよね。バレそうでバレない絶妙なラインを楽しむというか、ちょっとコントっぽいというか。モモレンジャーの声真似をしてつの骨仮面が怒られるのも面白かったです。曽田脚本、怪人に愛嬌をつけるのが上手い。一方でペギー達の失踪を知った海城達。ゴンで悲しんでる太郎くんが印象的でした。いつも生意気だもんなコイツ…。しかしゴレンジャーでもあんまり手の打ちようがない辺り、かなりいい作戦なのかもしれない。

 

ペギー達を探しに出た海城の元に現れるつの骨仮面。「ここは貴様の地獄の一丁目だ!」って全然よく分からないけど何だか痺れるフレーズですね。一方でナバローンの接近を知らせてペギー達を焦らせます。海城達に突き止められたら終わりだもんなあ。しかし、ペギーは壁の絵の違和感に気付いてしまう。絵の奥を覗き込むと、そこにはトランプに興じるゾルダーの姿が…!何でペギー側からも見える仕掛けなんだよ! でもここまで2人が一切気付いてなかったのがすごい。ちょっと詰めが甘かったですけどね。そんなこんなでフランケン1号が完成。しかしその爆発に巻き込まれ、明日香が命を落とすどころか木っ端みじんに。白衣は無事なのに明日香はマジで欠片も残っていないの、面白すぎる。まあペギーが何か仕掛けてるのは見え見えなんだけど、これでよくいけると思ったな。そしてよくいけたな。

 

見た目がとにかく恐ろしすぎるフランケン1号。仮にも正義側が作ったロボットなのだからもう少し愛嬌があってもいいだろうに。つの骨仮面のほうがまだかわいい。そこでペギーは太陽電池で動かすためにフランケン1号と共に表に出たいと言い出す。言われるがままにバリアまで消してしまうつの骨。案の定、そのまま逃走されてしまう。いやこれずっと真面目にフランケンやってる明日香が面白すぎるぜ。そのまま海城達と合流し、バトルへ突入。つの骨、フランケンのことを本当にロボットだと思ってたのがよかったですね。どう考えても騙されてるだろうに。アクションはレッドビュートで敵をクルクルするのがよかったです。意味があるのかは分からない。そして攻撃により頭を前後逆に取り付けてしまうつの骨仮面。いや長い間その体だったらある程度予想できただろ。そんなんで動揺するな。すかさずゴレンジャーハリケーン・髑髏を決められ、めちゃくちゃカラフルな髑髏に替えられてしまう。そのまま爆散。いやあんな色のついた髑髏、初めて見たな。

 

 

第50話「青い翼の秘密! 危うしバリドリーン」

青い翼の秘密!危うしバリドリーン

 

すっかりお馴染みとなったコンドラー部隊。テムジン編でだけの活躍かと思ったら、黒十字軍の通常兵器になっているのは面白いですね。そして相変わらず、その標的はイーグル部隊。またもイーグルが犠牲になる場面からスタートする記念すべき第50話。怪人は鉄ワナ仮面なんですけど、ほぼトラバサミですね。完全にトラバサミ。トラバサミ仮面でもよかった。体ごと地中に潜って頭のトラバサミだけ地上に出して罠として機能してるのめっちゃ怖いです。トラバサミ自体がもうだいぶな凶器なのに、そのトラバサミが喋り出したら恐ろしすぎる。でも捕まえた後ずっと顔が相手の足に固定される仕様なので使い勝手は悪そう。そしてイーグルの連絡網を利用して、全ての罪をバリドリーンに擦り付けることに。「バリドリーンが突然爆弾を!」という発言を疑っていそうな電話相手に対して、「本当なんだ!」と猛プッシュしてるのが面白かったです。

 

令和だったら絶対そんなのすぐバレるんですが、ここはさすが昭和特撮。イーグル本部は真相が判明するまでバリドリーンを飛行禁止に。でも該当の時間にバリドリーンは出撃していないらしいし、飛んでないならもうさすがに信じてあげてほしい。ここで怒る新命は良かったですね。外に出ると子どもにまでバリドリーンの情報が回っている。イーグル、遂にそんなにガバガバになったのか…!?と思いきや、胡散臭い男がバリドリーンの悪行を堂々と街で話していた。まさかの潮健児。『仮面ライダー』で地獄大使を演じていた方なので、強烈な懐かしさに襲われました。地獄大使の時もすごかったけど、今回もビジュアルのインパクトが強い。一発で敵だろと分かるビジュアルなのはさすがですね。あとこの講釈師の言葉、「イーグル側も強力な兵器持ってるんだぜ?」みたいな、善悪二元論を飛び越えるような趣旨になっているのが良かったです。もちろんそこはメインじゃないけど、思えばゴレンジャーって黒十字軍とイーグルの攻防を描いていて、実はどっちも軍事組織なんだよなあ、という。それが人助けか世界征服のどちらに向くかという話なんですよ。そんな真面目なことを考えてしまっただけに、突っかかる新命に対して「奥様方、この男をウーマンパワーでやっつけてください!」と命じて主婦たちが一斉に新命に襲い掛かる場面で大笑いしてしまいました。ウーマンパワーって。

 

その後、正体を現した鉄ワナ仮面と新命が直接対決。新命、トラバサミかわすのすごいな。普通かわせないだろ…。そんな新命に対して「悔しい」と漏らしてしまったり、とにかく鉄ワナ仮面は感情が前に出ちゃうタイプなんですよね。結構可愛げがある。後上着の毛皮というかフワフワしてるのも可愛い。そして戦闘の中で新命が見せられるのは、ナバローンで待機している黒十字軍のバリドリーン。まさか黒十字軍もバリドリーンを持っていたとは…!裏切り者の科学者によって作られたらしいけど、帰って新命がそれを総司令達に報告すると、バリドリーンはコンピュータが作ったそうな。設計図も燃やしてしまっているために、作ることは不可能。つまりどう考えても黒十字軍の発言は嘘ということに。そこから提案する海城。「黒十字軍はバリドリーンを科学者が作ったと思ってるわけだし、そこを利用しようぜ」と。なんか理屈が分かるようで分からない作戦ですね…。一方の鉄ワナ仮面、用意した偽物のバリドリーンを披露できたことがよっぽど嬉しかった様子。後は蝶々などをコレクションするという彼のコレクター気質が明らかに。欲しいものは全て手に入れたいというその気質からバリドリーンを狙っていたらしい。世界征服やゴレンジャーとの因縁ではなく、ナチュラルに自分の趣味で行動しているという意味では結構珍しい怪人なのかもしれない。そういう内面も、表面のコミカルさに繋がってきますよね。

 

大ちゃんに雑な変装をさせて、作戦を進めるゴレンジャー。窓からいきなりロープが投げられ、大ちゃんが連れ去られようとしてしまう。まさかのゾルダーVSゴレンジャーの綱引きは面白かったです。冒頭こそシリアスでしたけど、全体的にはかなりコミカルというか。黒十字軍の苦労人感がにじみ出ていたように思いました。作戦も穴だらけですからね…。そもそも裏切り者の科学者がいる設定だったのに、それをアオが突き止めた途端にロープで引っ張って拉致するの、マジでなんなんだ…。いやそれがお前のやりたいことだったのか…。大ちゃんの変装も案外あっさりバレてしまう。というか、大ちゃんが変装した途端にこの回のメインが新命から大ちゃんに変わったので、本当に凄いキャラクターだなあと改めて。そして鉄ワナ仮面、ワナって名前についてるくらいだし、ゴレンジャーを罠にかけようみたいなのはよかったです。まあどの怪人も罠とか騙すとかばっかりなんですが…。それに対して大ちゃんが「輪を地面に7つ書いてワナ(輪7)」だと伝えるなぞなぞ展開、最高でした。お決まりのなぞなぞパートをこういう変化球で出してくるの、ちょっと感動しちゃいますね。バトルに突入すると、トリモチブルーチェリーなんて突飛な技まで飛び出し、その後トリモチからの尻もち!トリモチも尻もちも今ではあんまり使わない表現だなあと思いました。ゴレンジャーハリケーンはバタフライ(蝶々)。確かに集めてたもんな…。

 

 

 

ということで第46話~第50話までの感想でした。上原脚本、高久・新井脚本、曽田脚本を一気に堪能できる5話。他のスーパー戦隊ならそろそろクライマックスなんですが、ゴレンジャーは全部で84話あるのでまだ半分と少しといったところ。長い…。それでも飽きないところが本当に凄いなと思います。怪人のコミカルさに全振りしていくような回も増えてきたので、ますます特徴が出てきているようで楽しいです。