スーパー戦隊シリーズ『秘密戦隊ゴレンジャー』感想 その1

なぜ今?と聞かれても全く答えらえれないんですが特に理由もなく『秘密戦隊ゴレンジャー』の視聴を始めました。もう3周目くらいでしょうか。でも昭和特撮の細かい部分を覚えるのって結構至難の業で、観る度にいろいろな発見があります。多分忘れているんだろうな。縦軸が弱いストーリーで各回の面白さを堪能するのが昭和東映特撮の正しい楽しみ方だと思っているので、今回は各エピソードを観ながらスマホにメモ書き(というかツッコミ)をしつつ、それを文章にしてブログにするという形。備忘録も兼ねて結構しっかり感想にしました。

今回は第1話~第5話まで。あわよくば現行のスーパー戦隊まで続けたいです。

それでは、どうぞ!

 

 

 

 

第1話「真赤な太陽!無敵ゴレンジャー」

真赤な太陽!無敵ゴレンジャー

 

記念すべきスーパー戦隊シリーズの第1話。

ゴレンジャーにはコミカルなイメージを持っている方も多いと思うんですが、最初はかなりハードな作風。なんてったって正義の機関であるイーグルの各支部壊滅から始まるわけですからね。

ゴレンジャーに選ばれた5人の戦士は各支部の最後の生き残り。いきなり5連続で支部壊滅を見せてくるヒーロー作品、とんでもないですよ。『仮面ライダー剣』でさえきちんと1話かけてのBOARD壊滅だったのに…。

 

まずはアカレンジャーに変身する海城の居る関東支部が壊滅。いきなり主人公の兄が死ぬ(「兄貴!」というセリフだけで重みを演出するスピーディーさ…!)のがすごい。にしても海城、サッカーのユニフォームの短パンが短すぎる。時代を感じますね。でもって今回のメイン怪人である黄金仮面が怖い。金色の全身タイツに黒マント。目と口の穴の空き方も恐怖しか感じない。怪人二十面相感というか。シンプルゆえの怖さがにじみ出ています。

ゴレンジャーを観る度に毎回思うのだけれど、色分けされた5人のヒーローチームという点を押し出した作品の初陣の相手が「黄金」ってすごいと思うんですよね。意味合いが強すぎる。現代ではゴールドが追加戦士になったりもしているわけだし、マジで中ボスくらいの格はあってもいいのに、初陣に持ってきてしまうという。5色VS黄金という構図だけで1クールは持ちそう。それなのにあっさりと倒してしまうのがゴレンジャーの良いところ。

 

その後新命、大岩、ペギー、明日香の4つの支部が壊滅していく。マジですごいな。開始数分で死者の量が尋常じゃない。あとペギーのターンで馬が出るのいいですね。馬どころか乗り物ですら現代のニチアサでは滅多に出ないので。

あと明日香の生き残り方だけ「鳩の世話をしてて偶然にも毒ガスに巻き込まれなかった」なの、パーソナリティをしっかりと表してて最高です。ミドは他の4人に比べて若輩者という設定なんだけれど、それが既に描写されているわけですよ。彼は支部の中でも下っ端で、鳩の世話(というか鳩の世話って何?伝書バト?)をさせられる程で。でも、だからこそ生き残ったという。多分ゴレンジャーが指名制だったらもっと優秀な人材が選ばれていたのだろうけど、偶然生き残ったからミドになれたというような。このエピソードがすごく好き。

 

5体の怪人を一気にお披露目した後、黒十字軍のアジトの描写が。総統、めちゃくちゃシンプルだな…。でもショッカー首領しかり、この時代の特撮作品のラスボスって、ゴツイ強さよりもシンプルでミステリアスな恐怖感を意識しているのかなあと思ったりもする。力を誇示するというよりかは、削ぎ落してカリスマ性を強調していくような感じですかね。いやまあショッカー首領と総統だけだろと言われたらそれまでですが。

 

そこから各メンバーの元にアカレンジャーが現れ「合格だ!」という声と共にスナックゴンへ集合とメッセージを残す。アカに決定権があるんですね。でもここでアーチェリーだったりトラック引きだったり、既に4人の個性がドンと出されているのが印象的。後はアカの「頼もしい奴ばかりだ」というセリフも、根拠はそこまでないんだけどなんか納得してしまう。バイクに乗るアカ、かっこいいんだもん。

ちょっと余談なんですが、ゴレンジャーのメンバーは頭文字を取ると「カシオペア」になっているというのは有名な話で。だけどさすがに「ペギー松山」はちょっとやりすぎだと思うんですよ。なんだよペギーって。ペギー葉山くらいしかいないだろ。どうしてもカシオペアにしたいという強い思いを感じてしまう。

 

スナックゴンで会って数分でいきなり大ちゃんになぞなぞを出してくる明日香。多分無意識に「大ちゃん面白いな」って感じ取ったんでしょう。おちょくってもいいな、みたいな。でも確かに大ちゃんをからかいたくなる気持ちは分かる。あとそういう年上を舐めちゃう感じなのも好きです明日香。

それと海城の角刈り、令和の今では信じられないですよね。戦隊のレッドがあんな髪短いことないよ。あと、新命の集合いきなりギターはやりすぎ。しかも一足先に着いてずっと「ギター持って登場しよう」みたいなこと考えてたんですかね。それとも考えずにあれをサラッとやれちゃう人なんですかね。どっちにしても怖い。あんなんやられたらもうどんなに強くても信頼できないよ仲間として。

 

総司令から黄金仮面を倒せと指令が入る。火薬工場侵入だけならまだしも、幼稚園バスをジャックして園児人質というのがすごい。絶対要らないだろ人質。イーグルを壊滅させたような軍団がわざわざ人質取る必要が全くないんですよ。結局職員のお姉さんはバスから降ろしていたりするし、どうしても大量のガキ共を爆発させたいという残忍な意思を感じる。火薬工場爆破だけで充分なのに、何でそんなことをするんだ。

 

ここでバリブルーンの登場。サンダーバード意識の発着シーン、めちゃくちゃいい!もうプロペラのくるくる回転をじっくり見せてくれるだけで満点。とにかくこのマシンをかっこよく見せてやるぜという意図がビシビシ伝わってきます。そして実際かっこいいんだよなこれが。コクピットに大ちゃんと新命を乗せるのもいいですよね。いきなり大ちゃん呼びの新命。マジで大ちゃんの愛され感は半端ない。対するバイク組、明日香のヘルメットが国旗とかついててちょっと派手なのが気になりました。

 

そして始まる戦闘。

もう高いところからいきなり現れる名乗りが完成されている。これ大好きなんですよね…。カカンッ!というSEはなかったけれど、もう8割型できていました。そこからはどんどんバトル。ひたすらにかっこい~と言うゾーンに突入するわけですが、一つだけ。「モモミラーって何???」

 

黄金仮面、あれだけ恐怖を醸し出す仮面の割に結構すぐ逃げる。逃げ方もダッシュなのがいいですよね。今の怪人はすぐ謎のワープで消えるから…。でもゴレンジャーという存在自体知らなかったわけだし、黄金仮面が逃げるのも無理はないです。だからあんまり責めないであげてほしい。

そんなこんなで1話、かなりハードなストーリーですがもう既に型ができています。超面白い。

 

第2話「青い地球!死の砂漠化計画」

青い地球!死の砂漠化計画

 

 

前回のラストで「俺がゴレンジャーを倒す!」「いや俺だ!」と4体の怪人が息巻いていたのに、蓋を開けてみたら物質変転光線サンドビームを使って地球を砂漠化しようと計画している武者仮面。昭和特撮のご愛敬。というかこのサンドビーム、最初こそ岩を砂に変えるくらいのものだったのに、改良によって全ての物質を砂に変えることができるようになるとか、強すぎる。第2話で出していい代物じゃない。どう考えてもラスボスが手に入れる能力ですよこれは。

 

武者仮面は新命の居たイーグル東北支部を壊滅させた怪人なわけですが、ゴレンジャーの第5話まではそれぞれ地味にこの因縁があるのが面白くていいです。ゴレンジャー、あまり縦軸の強い作風ではないのですが、彼らにとってはそれぞれ因縁の相手なので各メンバーのお披露目と合わせて因縁に決着が着くのはすごく好きな流れ。

今回登場する武者仮面も弓を使う怪人。もちろん武者なので刀も使いますが、アーチェリーを武器とするアオと対にもなっているんですよね。あとアオを弓で負傷させたり。実力も相当なものであることが伝わってきます。

 

今回は科学者の子どもが人質に取られる昭和特撮の王道パターン!親の顔より見たという方もいらっしゃるのではないでしょうか。科学者になった瞬間に子どもをきちんとした施設に預け入れた方がいいということを学べますね。

 

新命が単独行動、ペギーと海城、明日香と大ちゃんがペアで行動するわけですが、既に大ちゃんと明日香の仲が良い。メンバーの中でも明るい2人なので、その2人が親しげに話している姿は見ていて楽しいです。

 

新命の「武者仮面は俺が倒す」って宣言が割とサラッと出てくるのもちょうどいい温度感でした。2話から復讐心たっぷりでも重すぎるし。新命のこういう正義感や使命感を振りかざしすぎないところが好きです。

それにしてもサンドビーム、あまりに被害がデカすぎる。全てのものを砂にするなんてやっぱり2話で出てきていい代物じゃないんですよ。まして武者仮面もサンドビームを衛星にセットして地球に打ち込んで人類絶滅させようってすごいな。仮にもお前武者だろうに。ゴレンジャーに限らず昭和特撮の怪人って、能力こそモチーフ準拠ですけど、作戦は結構その場のノリですよね。

でもやっぱり地球全部砂にしたら住みづらいよ。文明を一から起こす気なのかな。サンドビームを武力として人類支配した方が絶対得だし楽しいと思うけどな。

 

総司令の正体、地味に引っ張ってるのが面白いですね。でも大ちゃんのことキって呼んじゃう甘さが可愛い。なんで隠してるんでしたっけ?また明かす時に確認することにします。

 

イーグルから黒十字軍にスパイしてる人もいるんですね。確かにゾルダーのマスク部分がスケスケだ。バレバレすぎる。それより、「ロケット、星、砂漠」で分かるわけないだろ!あの体力があるなら絶対文章にできたよ!捕まったペギーも速攻で「衛星にサンドビームを組み込んで地球を砂にする気ね」じゃないんだよ!ピンポイントで当てるなら単語にした意味がない。

 

そして処刑シーン。最高!

採石場で雑な柱に雑な縄縛り。そしてヒーロー横並び。マジでこれ最高。昭和特撮の様式美ですよ。平成でも結構あるし、永遠に守られ続けてほしいこの伝統。

博士親子をバリブルーンからホース出して吸引するの面白いですね。あれをアトラクションにしたらウケそう。博士たちもまさか吸われるとは思ってなかったろうに。

 

今回は怪人を囲んでの名乗り。名乗りの最中に攻撃しちゃえよみたいな話ありますけど、確かにアレだと止めにくいですね。目の前で自分を囲んでる人達がいたら慌ててしまう。ゴレンジャーストームを手だけでパスするのも簡易的で序盤ならでは。ある意味貴重な感じがしました。というか最後、本当にロケット出るんだ!?モモに対して執刀医の「メス」くらいの勢いで高性能小型ミサイルを出させるアカレンジャー。でも最後に決着を着けるのはそれを弓矢につけて飛ばすアオレンジャーっていうのが素晴らしいですよね。自分の仲間たちを全滅させられたわけだし。わざわざ言葉にはしないけど、新命の中にも相当の怒りが溜まっていたんでしょう。2話も良かったです。

 

 

第3話「大逆襲!黄色いつむじ風」

大逆襲!黄色いつむじ風

 

3話にして今更ですけど、怪人がバギー(で合ってます?)に乗るのがすごく好きなんですよね。やっぱりゴレンジャーに専用マシンがあるし怪人にも何かしら乗っていてほしい。だけれどガッツリ怪人用の乗り物があるとそれはそれでちょっと販促が強いなって思っちゃうんですが普通に車なのでそこが好きです。

 

今回の青銅仮面は新型爆弾にてゴレンジャー基地の襲撃を図るんですが、2話で万物を砂と化すサンドビームを出したのに小型爆弾はさすがにスケールが小さい。前回の科学者をひたすら追い続ければいいのに、昭和特撮の怪人はたったの30分で諦めてしまう。それにしても、ゴレンジャー基地が狙われるという話をもう3話でやってしまうの、勢いがありますよね。

 

大ちゃんがゴンのカレーをツケで食べていることが発覚。それも愛嬌みたいなところありますけど、ちゃんとお金は払わなきゃいけないですよやっぱり。その後基地に集合って言われて大ちゃんはそのまま地下に降りるだけなのに何故か大ちゃんの集合が一番遅い。どういうことなんだ。

 

そしてゴレンジャーが敵アジトに潜入。まだゴレンジャーのコミカル度が低いので、スパイものをしっかりやってる~という感じに浸ることができます。赤外線(?)センサーとか金庫破りとか。もちろんクオリティ自体はハリウッドに到底敵わないんだけど、それでも子どもが興味を持てるようにってスリルを出そうとしている感じはすごく伝わってくるんですよ。そこに大ちゃんのうっかりミスみたいなコミカルも加わってとても良かった。大ちゃんと海城の組み合わせは今回初ですね。だけどネズミガジェットに騙されるゾルダーはさすがに馬鹿すぎるのでアウト。

 

今回の怪人は大ちゃんが居た支部を狙った青銅仮面。しかしほとんど青銅は関係ない。何なら大ちゃんも別に因縁があることを強調しない。まあ仕方ないことではあるんだけれど、大ちゃんこそ仲間意識をしっかり感情として出してくれるタイプに思うので、ここは少しでも怒りに身を任せてほしかった。

 

青銅仮面が使う笛、裏切り者の正体まで突き止められるなんてクラピカの「導く薬指の鎖(ダウジングチェーン)」じゃん! 何ならもうこいつ笛仮面だろってくらい笛を使ってくるのですごい。しかも吹き矢にもなる。何仮面なんだよあんた。ただ、せっかくのスパイを生け捕りにせず即刻殺しちゃうの、さすがに早計なんですよね。どう考えても拷問して聞いた方が早い。ゴレンジャーを誘き出すなんて手間だろうに。あと双眼鏡使ってるのかわいい。怪人が特殊能力とか武器とかじゃなく、普通のアイテム持ってるのが好きです。バギーもそういう理由。

 

大ちゃん以外の4人がゴンに同時来店。結構仲がよさそう。ゾルダーは変装もできるんですね。というか昭和特撮の戦闘員は結構変装が上手い。なんならヒーローも変装が上手い。並行でいきなり総司令の正体バレをやるんですが、どうして秘密にしていたのかは全然分からなかったですね。遊び心ということにしておきます。007と008と009がしっかりと登場してくる。でも008と009ってこの後出てくるんでしたっけ…。記憶が全くない。敵に連れ去られてしまう太郎君。美味しい役回り。

 

誘き寄せられた大ちゃんが謎の洋館に入ると、その一室にはお食べくださいと言わんばかりのカレーライスが!マジでなにこれ。とち狂ってるでしょ。カレー好きだからついつい食べてしまうとかそういうのを説明してからやってくれよ。単に好きな食べ物カレーのヒーローを出すならともかく、敵地にドンと置いてあるカレーライスを食べるのは話が違うんですよ。青銅仮面が出てきてもずっと食べてるし。あんたの仲間全滅させた怪人だぞ!?呑気にも程がありすぎてさすがに笑ってしまった。しかもカレーあった理由全然わからなくて最高。

 

最後、青銅になり無敵状態となることでしっかりと青銅仮面としての威厳を見せつけてくれた怪人。だけどどれだけ青銅になったとしても、キに投げられてしまえば終わりです。でもどうせゴレンジャーストーム当てるなら投げる必要はなかった。3話は怪人の個性がもうやっつけ仕事みたいになっててよかったです。青銅は無理があるって。

 

 

 

第4話「紅のキック!砕けミクロ大作戦」

紅のキック!砕けミクロ大作戦

 

サブタイトル、何で紅なんだよ!ここは絶対桃色だろ!

 

今回の怪人はヒスイ仮面。言うまでもなく、ペギーの居た支部を全滅に追いやった怪人。きちんとゴレンジャー全員の性格を分析していて、部下達にも要注意だと説明していて偉い。敵をきちんと分析する知能犯タイプ。しかしゴレンジャー、既に正体までバレているんですね。明日香、17歳か…。

 

その途中でいきなり科学者が数名逃げ出すんですが、街中で倒れる科学者、だいぶインパクトがありました。ペギーが街中で普通にアイスクリーム食べてるの、お茶目すぎていい。科学者がゴレンジャーと一切無関係なのに怪人から逃げていたらプライベートのペギーに出会うの、井上脚本ばりのバッタリ展開でした。

 

今回はもう大胆にペギーを主役にしていて。これまではヒロインという地位に甘んじていた感じもあったものの、一切そういうのを感じさせない一人のヒーローとして成立させていくような回でした。戦隊の女性メンバーと言えば変装や七変化。でも今回は髪型変えただけだろ。カビの話は結構化学的なニュアンスが強かったです。まあ全部ヒスイ仮面がペギーに帰ってもらうために適当言ってるんでしょうけど…。でも叫び声が聞こえた時に「九官鳥ですよ」は無理がある。まず九官鳥を飼ってることがあんまりないだろ。

 

で、これまた偶然にもペギーが持ち込んだカビがヒスイ仮面が培養させようとしていたもので、つまりは狙い通りに完成していたという。これペギーが持ってこなかったらどうなってたんだろ。すごく強引な話運び。そしてペギーも監禁されてしまうわけですが、何かすごい天井高いとこだな…。最初に脱出した科学者たちはどうやって出たんだろ。ここでヒスイ仮面の目的が全人類を「ヒスイ人形」にすることだというのが明らかに。人形というか普通に死ぬだけでは。というか「ヒスイ」って「翡翠」ですよね。あの石の。青銅といい、何故そんなものを…というチョイス。「野球」とかとはまた別のベクトルで変ですよね。

 

で、ヒスイ仮面の作戦は「気球からカビ胞子をばら撒いて、全人類をヒスイ人形に」ということだったんですが、気球は先に作っといてよかったのではと思います。最初にゴレンジャーを分析して知能犯ぶってた割には大して知性を感じなかったなコイツ。今回はゴレンジャーサイドのドラマがあまりなかったですね。その分、黒十字軍の作戦に勢いがあるというか、どんどん盛り付けられている感じ。あと、008と009がちゃんと出てましたね。

 

気球に対して速攻でミドメランをぶちかまそうとするミド。絶対ダメだろ。中に細菌兵器入ってるのに…。というかここで気付いたんですが、ばら撒くならヒスイカビである必要なくないですか??上空から毒ガス撒くのと全然変わらないでしょ…。なんでカビの培養に時間費やしたんだよヒスイ仮面。どうしてもヒスイ人形にしたいとかそういうこだわりがあったのかな。アオが計画を打ち破って「ザンネンデシタ」はさすがに笑う。新命のこういうお茶目さが好き。

 

 

第5話「みどり色の怒り 不死身ガス人間」

みどり色の怒り 不死身ガス人間

 

この第5話でようやくゴレンジャーと因縁のある怪人を掃討。

今回は遂に明日香の居た基地を壊滅させた毒ガス怪人の登場です。なんやかんや第4話までずっと温存されていて、「次は私だぜ!」みたいな満を持して感がある。別に他の怪人と比べてすごく強いというわけじゃないけど、順番がラストだった分重鎮感が出ている。で、気になる毒ガス仮面の計画は、工場の建設。やっぱりサンドビームの凄まじさには誰も勝てない。でもビジュアルのインパクトで言えばなかなか負けてない気がします。ガスマスクの頭頂部に鳥のオブジェがあって何だか憎めない。

 

今回はアカとミドの組み合わせで行動。スーパー戦隊のフォーマットって各回でまだ組んだことのない組み合わせで行動させて、お互いの価値観を擦り合わせるみたいなのあるじゃないですか。怪人の能力でメンバーの大半が戦闘不能になってリーダーとおバカだけが取り残されて、ちょっと衝突しながら頑張って仲間を取り戻すみたいな。あのフォーマットがすごく好きなんですけど、ゴレンジャーにはそういうのないんですよね。やっぱり後世で徐々に生まれた構造なんだろうなあと。タッグとかはあるけど、それがストーリー上大きく絡んではこないというか。この辺りもその駆け出しをスーパー戦隊を観ていくうちに探していきたいです。でもアカとミドだけは斬新ですね。

 

しかも今回はいきなりのバトル展開。これまで変身バトルはクライマックスのイメージだったので、これも新鮮な味がする。ここで戦ったことで毒ガス仮面がパワーアップを果たすという流れ。突然瞬間移動できるのだいぶ強いと思ったけれど、まさか手術でガスのように蒸発できるようになるとは…。

 

で、実はこの回、私がゴレンジャー全84話の中で一番好きな回だったりします。明日香の未熟さがすごく強調されていて、30分でしっかりと彼の成長が見えるんですよね。昭和特撮ってヒーローのかっこよさを打ち出すことが多くて、成長譚ってあんまりないんですよ。多分ヒーローが弱く見えてしまう…みたいなイメージがあるのかな。V3とか帰ってきたウルトラマンとか、結構そういう人間臭いエピソードもありましたけど、そこがメインストリームにはならなかった覚え。やっぱりヒーローはヒーローであるべきで、視聴者の目線には降りてこない方がいいみたいな考え方があったのでしょうか。

 

でも平成生まれの自分としては成長譚ってすごくグッとくるもので。この第5話は毒ガス仮面への復讐に駆られる明日香の必死さと、それを諭す総司令の会話がすごくいいんですよね。第4話までずっと「お前ら基地壊滅させられたのによくもそんな冷静で戦うな…大ちゃんに至っては敵に出されたカレーまで食べちゃって…」なんて言ってきましたが、他の4人は精神的に大人だったと無理矢理解釈することもできて。復讐ではなくゴレンジャーとして、人を守る使命の一環として黒十字軍と戦うという覚悟が、明日香にはできていなかったんだという話をやるんですよね。ちゃんとその視点を置いてくれたのがまず嬉しいです。基地を怪人達に壊滅させられたってめちゃくちゃ凄い出自なので、むしろ触れない方がおかしい。

 

そして、不死身回路によって毒ガスになることができるようになった毒ガス仮面。気化や液状化はめちゃくちゃ強い。そんな毒ガス仮面を尾行する008と009。ゲリラ撮影っぽくてよかった。でも尾行にしては服装が派手なんですよね。黒マントで姿を隠してる毒ガス仮面の方がしっかりと街に溶け込めている。で、ゴレンジャーのアジトとは知らずにゴンにやって来るというミラクルを起こす毒ガス仮面。めちゃくちゃ強運。その後ミドが捕まることになり、電気椅子みたいなのに座らされて電圧をかけられることに。しかも磔にされて、心臓まで止められて…。

 

ですがゴレンジャーは無敵なのでゴレンジャーチャージによってミドを生き返らせることさえ可能。こんなことをサラッとやるの本当に凄い。弦ちゃんや進ノ介が死んだ時、復活にまるっと1話使ったのに、昭和なら2分。

 

毒ガス仮面は天然ガスを毒ガスに変えることによって、人間たちを皆殺しにしようとたくらんでいたというオチ。そのために工場の建設を目論んでいたらしい。でも不死身回路で気化できるようになったのが強すぎる。あと工場と不死身回路が全然かみ合ってないのもすごいですね。力業だ。しかしミドメランの一撃で不死身回路をショートさせられてしまい、瞬間移動が不可能に。この敵の能力自体ではなくて能力を使えなくするというやり方が、いかにも昭和っぽい。平成か令和ならそれに応じたキーアイテムをヒーローが手に入れるので…。最後はゴレンジャーを道連れに工場爆破させてやる!と息巻いていたものの、ゴレンジャーはあっさりと工場を脱出する。損じゃん…。

 

 

 

という感じで、ゴレンジャー第1話~第5話までの感想でした。なるべく続けられるように頑張りたい。第5話まではエンディングに出てきている、ゴレンジャーそれぞれと因縁のある怪人との戦いだったので、次回からはマジで「次は何怪人だ?」という楽しみがあります。

 

 

秘密戦隊ゴレンジャー

秘密戦隊ゴレンジャー

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