スーパー戦隊シリーズ『秘密戦隊ゴレンジャー』感想 その5

ゴレンジャー感想第5回目。日輪仮面との決着が着き、新幹部鉄人仮面テムジン将軍が登場しました。しかも21話~23話までは話も連続していたり、色々と試してるんだろうなあというのが伝わってきます。

 

前回の分はこちら。

 

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第21話「青い驚異! 古代から来た怪飛行船」

青い驚異!古代から来た怪飛行船

 

またです。またイーグル基地が次々に破壊されるところからのスタート。鉄人仮面テムジン将軍でさえ、その力をアピールするためにはやはりいつものイーグル基地破壊からスタートしなくてはならなかったよう。あと、ちゃんと椅子がありましたね。日輪仮面があれほど喜んでいた椅子だったしぜひ使ってほしかったのでしっかりと座ってくれて嬉しかったです。椅子で喜ぶ日輪仮面、本当に愛しかった…。

 

そんなテムジン将軍、ゴビ砂漠からの手土産としてかつてアトランティス大陸を沈めた悪魔の飛行船の在処を記した地図を用意していました。半分とはいえ残り半分は日本にあるそう。これ多分テムジンも気付いた時ニヤニヤしていたんだろうなあ。手柄できるぞ~みたいな。先に地図持ってたなら「ようやくだぜ!」って気分だし、召集の後に地図を手にしてても「ラッキーだぜ!」って感じですもんね。正直ちょっとスケールが大きいというか、別にそんなんなくてもいつもの毒ガスとかで全然日本征服できると思うけど、まあ持っていて損はないですね。何より日本の支配が進まないのはゴレンジャーのおかげなので、ゴレンジャーを倒せる兵器を用意するに越したことはないです。

 

今回のゲスト怪人は砲丸仮面。頭にちょこんと砲丸がついているのが可愛い。メイン砲丸じゃないじゃん。というかこのタイミングで気付いたんですけど、テムジン将軍編って怪人がやたらと地味なんですよね。鉄製の武器だったり製品だったりをモチーフにした怪人が多くて、どれもこれも銀色だったりととにかく地味。ここまで怪人のバリエーションで楽しめていた部分が大きかったので、ちょっとこれは致命傷かもしれないです。テムジン将軍編、期待下がってしまったな…。

 

そして地図のもう半分を持っているのが清水博士。既にゴレンジャーとは懇意にしているようで、新命が子どもを現地に連れてくるほどの仲。しかも奥さんを亡くしているらしい。設定めっちゃ盛るじゃん。テムジンも実質初登場なのにこんなに情報量多くて大丈夫なのかと心配になってしまう。そこに現れる砲丸仮面。いきなりガキを誘拐しようとするの、結構大胆ですね。しかしそれは囮で、実際は清水博士こそが目的。そりゃあそうだ。欲しいのは地図ですからガキを人質にするより本人を連れ去った方が早い。砲丸仮面はトゲトゲ鉄球を投げてくるキャラクター。『るろうに剣心』の式尉みたいな。あいつはただの鉄球でしたけどね。でも考えてみたらゴレンジャーストームもトゲトゲ鉄球なので、トゲトゲ鉄球対決というわけです。鉄球でガンガンアオを殴ってくるの、物理攻撃はさすがに物騒で怖いですね。トリッキーな怪人も多い中で普通に危ない武器で殴り掛かってくる、ずいぶん好戦的な砲丸仮面。

 

女性メンバーに駆け寄る新命。状況の確認だけでなくて人の心配までできるのがかっこいい。こういうの海城には何だかできないイメージがあります。海城は多分人の気持ちとかをちゃんとは理解していないというか。共感性に欠けるみたいなところがある。そう見せているかは別として、こちらにはそう見えているんですよね。だからこそ、時に部下を叱咤激励したり、非情な決断ができたりという生粋のリーダー気質なのかなあと思いました。そして、彼に欠けているであろう感情面を補うのが、サブリーダーの新命の役割みたいな。まあ、これが作り手の意図していたものかどうかは別ですが。

 

テムジン将軍の側近みたいなゾルダーは制服も軍人仕様。強さは多分変わらないんでしょうね…。そしてゴレンジャーに果たし状を送り付けてくるテムジン。1対1を要求してくる辺り明らかに罠っぽいし、何なら先週も日輪とアカでやったんだよな…。だけど何となく、物語性は今回の方が強い気がしますね。清水博士がいる分、ドラマの比率が高い。そして決戦の場に向かうアオ。砲丸仮面、頭についてる砲丸も飛ばすことができるらしい。これは初見殺しみたいなところありますね。

 

結局地図を取られてしまい、清水親子も誘拐されてしまう。清水博士が言うことを聞かないと子どもを痛めつけるの、非道。でも最初はアトランティスさえ否定していた子どもが父親の背中を見て「パパ喋っちゃだめだよ!」って訴えるのはちょっと感動しました。今回上原脚本にしてはドラマパートに気合が入っているようです。テムジン将軍編スタートという意味で、ちょっとテイストを変えてきたような趣があります。一方のゴレンジャーは必死の特訓。なぜアオだけなんだ…。全員参加すればいいのに。でもそこで敵の間合いに入るという閃きを得た様子。

 

そして現地に現れるゴレンジャー。今回腕をクロスさせたりと、ちょっと名乗りが独特でした。やっぱり新章突入で気合が入っているらしい。砲丸仮面に対してアオが繰り出したのは、ブルー回転アタック!何周ものでんぐり返しの果てに相手の懐に潜り込み、弓をぶっ刺す!これでんぐり返しいるかな…。というかブルーチェリーの遠距離攻撃というアドバンテージが完全に死んでいますが。普通に距離取って弓放った方が見栄えもよさそう。そしてトゲトゲ使いだった砲丸仮面も、さすがにゴレンジャーストームには歯が立たず。あんまりトゲトゲ対決みたいなことはなかったですね。そりゃそうか。

 

いつもなら怪人を倒した後はすぐにバイクシーンとナレーションになってしまいますが、今回は違います。アトランティス号の復活という大イベントが残っていました。各ポイントにある目印を少しずつズラして扉を出現させたり、ちょっとした冒険ものっぽいテイストが楽しくていいです。しかしアトランティス号には既にテムジンが乗船していた!なんでだよ!!!お前らずっと扉開けられなくて苦労してたのに、なんでだよ!でもこの「アトランティス号」を奪われるというのが演出でしっかりヤバいこと感が出ていて、緊張感がほどよく漂っていました。よくよく考えるとゴレンジャーのバリブルーンに対抗できそうな戦力が敵に渡ってしまったの、結構ピンチですね。まあバリブルーンと戦うかどうかは分からないですが。

 

 

第22話「黄色い空襲! アトランティスの悪夢」

黄色い空襲!アトランティスの悪夢

 

今気付いたんですが、第20話から今までサブタイトルに付いている色のメンバーが活躍するようになっていますね。今回はキレンジャーが主役と言っても過言ではない回。大ちゃんってコミカルゆえに場を和ませてはくれるんだけど、なかなかメインを張る機会がないのである意味貴重かもしれない。単独行動とかも基本しないですもんね。今回驚いたのは、前回の21話のラスト直後から物語が始まること。アトランティス編とでもいうか、テムジン将軍のスタートダッシュを三部作で飾ろうとしているようです。前回アトランティス号を奪われてしまったゴレンジャー。バーディで追いかけるキレンジャーに対して、テムジンはピストルで応戦。テムジン、ピストルとか使うんだ。というか「鉄人仮面」っていうのも曖昧ですよね。鉄を使えると聞くと強そうだけれど、部下達が鉄製品でそれぞれ個性あるから、逆に弱い気がする。

 

ただガッカリしたのは、せっかくのアトランティス号に特別な能力が一切ないことなんですよね。別にアトランティス号じゃなくても、ただの飛行船でいいじゃんっていう。あんだけ自信満々にテムジンは地図出してたけど、飛行船作れば全然今回の作戦できるんですよ。何なら黒十字軍はロケットとか作ってるわけだし。アトランティス号自体に一切魅力がないのは残念。結果的に敵側の勢力なので派手さにも欠けちゃうんですよね。そして今回の歯車仮面、命じられるがままに運転とかしちゃって…。マジで歯車じゃん。

 

結局テムジン達には逃げられ、無邪気に少年野球に参加する大ちゃん。キレンジャーなのに三振とかするんですね。変身前はそんなに強いというわけでもないのかもしれない。そこにアトランティス号が現れ、子供達が網で連れ去られてしまう。ゴレンジャー世界で網はマジで万能。モモレンジャーとかも全然捕まえられますからね。何ならアカレンジャー、ロープで戦ってるし。網が有能すぎる。早く網仮面とか出せばいいのに。というかアトランティスを一夜にして沈めた飛行船を使ってガキ誘拐するいつものパターンなの、本当にガッカリですね。しかも特別何かするわけじゃなく、ゴレンジャー除けの人質。バリブルーンで追いかけるも、攻撃できず撃退されてしまう。コクピットに乗っていた新命は撃たれ、煙幕を張って逃げることに。そういえばブルースモークっていう青い煙が前に出てましたけど、なんだったんだろう。普通の煙幕もあるんですね。

 

ここでイーグルは黒十字軍の今回の目的を知る。火山帯を黒十字軍がウロウロしているらしく、おそらくアトランティスと同様に火山に水爆を仕掛けて大地震を起こし、日本を海に沈めるのだろう、と。それを聞いたキレンジャーは早速何やら機械いじりを始める。そういえばキにはこういう手先が器用という一面がありましたね。3話辺りで金庫破りもしてたもんなあ。あの頃に比べるとゴレンジャーの戦いもずいぶんスケールアップした気がします。アトランティスの飛行船だもんね。

 

しかしあっさりと敵に捕まるキレンジャー。あまりにあっさり過ぎてわざとかと思ったけど、別にわざとじゃないらしい。でも敵の作戦の詳細を知るためにわざと捕まった可能性もある~みたいな微妙なところ。歯車型の手錠をされるんですが、これはデザインが凝っていていいですね。いつもならロープなのに。そしてキがそこで知るのは、歯車仮面の頭には水爆を仕込む箇所があり、歯車仮面自身が火山に飛び込むことで地震を起こそうとしているということ。こいつ…マジで歯車じゃん!そんな特攻みたいなことせんでも水爆落とせばいいのに…。

 

それを聞いたキはここぞとばかりに磁力コントローラーなる発明品を使って水爆を奪う。どうやらキが閃いたアイデアはこれだったらしいんですが、あの計画を知った時点で磁力コントローラーを作っても何の意味もないだろ。結果論過ぎる。それで捕まるまで言ったのほんとすごいなコイツ。ミラクルだろ。計画がおじゃんになった歯車仮面、ここで何と顔中の歯車が実は回転するというギミックが発覚!突然どアップになって回転始まるの、めちゃくちゃ面白い。もうこれだけでこの回はお腹いっぱいです。

 

怪人の個性がゴレンジャーの魅力だなあと改めて実感する中で始まったアトランティス編。しかもアトランティス号自体には何の魅力もないのですごくモヤモヤしていたんですが、この歯車仮面の回転はさすがにヤバい。一旦勢いを削がれていただけに不意打ちで面白い。でもそれさえも磁力コントローラーによって止められる。鉄系の怪人に対して磁力コントローラーが万能すぎるんですよね。大ちゃん、テムジンの天敵なのかもしれない。でもこの設定が次回以降使われなくなることはよく分かってますので…。ヤケクソで突っ込んでくる歯車仮面に対してゴレンジャーストーム。いやあマジで回転よかった。特徴のない怪人かと思いきやいきなり狂気を出してくれて本当にありがたい。そして、テムジンが送る次なる刺客は針金仮面。目がめっちゃ怖い。目が出てる怪人、もうそれだけで怖いんだよ。

 

 

第23話「みどりの空中船! 怪飛行船の最期」

みどりの空中戦!怪飛行船の最期

 

今回もサブタイトル通り、ミドがフィーチャーされる回。とはいえそこまでメインを張るわけではなく、何となく出番が多いかなという程度。前回アトランティス作戦を阻止されたテムジン将軍だが、まだ諦めてはいない。というかいつも1回で諦めるなよ黒十字軍。1回襲った博士とかも全然次で襲えるんですからね。まあ昭和特撮の味なので仕方ないんですが。とはいえ前回と同じことをやっても駄目だろうと、今回はカモフラージュ作戦を立案。アトランティス号に針金仮面を乗せてゴレンジャーの気を引き、その隙に地上で水爆を爆発させちゃおうという作戦でした。あれだけ苦労して、3話分も引っ張ったアトランティス号をまさかの囮に。3話分観てやっぱりと思ったんですが、何の特徴もない飛行船でしたねこれ。多分アトランティスは爆弾とかにやられたんだろうなあ。黒十字軍が苦労して復活させた意味が全然なかった。というか水爆全然用意できるなら、前回歯車仮面が自爆しようとしたのは一体何だったんだろう。

 

早速囮に引っ掛かったゴレンジャーと針金仮面の対決。針金仮面、針金で縛ってくるのが結構嫌ですね。せめてロープとかにしてほしい。一応水爆のフェイクを用意している辺りがすごいんですが、全然いらない気も。というか地上の水爆作戦とタイミング合わせようよ。水爆爆発させるタイミングじゃないのにアトランティス号だけ動かすのは変でしょ…。しかも逃げるバリブルーンに対して「おのれぇ!」とか言うんだけど、作戦は成功してるんだから恨む必要一切ないんですよね。マジで情緒が分からない。

 

総司令とも話し合い、ゴレンジャーは真相にたどり着く。黒十字軍は水爆作戦を諦めておらず、何かをしようとしている。ほらアトランティス号を不用意に動かすから…。というか多分アトランティス号で何かする必要もなくて、単純に水面下で水爆仕掛けてたら勝ってたよ。どうして挑発したんだ。一方、遺跡を訪れた清水博士は誘拐されてしまう。そこで何故か作戦の全容を清水博士に話してしまうテムジン。そしてゴレンジャーを陥れるために清水博士に改造を施し、万年筆型爆弾を仕掛けるように仕向ける。そんなことしないでも清水博士は放置でいいのに…。清水博士はしっかりとドアに万年筆を仕掛けたものの、ペギーが偶然(?)腰にぶら下げていた火薬探知機によって早々にバレてしまう。というか爆発が小さすぎる。あれで何をしようとしたんだよテムジンは。帰宅途中の清水博士を車から撃つテムジン。口封じが理由らしいけど、そもそも話さなきゃよかったんだよ…。

 

そしてバトルに突入。ミドが迫り来る数体のゾルダーをミドメランでばっさばっさとなぎ倒すのがよかったです。針金仮面は大ジャンプしてアトランティス号に乗り込み、東京を空襲。いや水爆あるんだから余計なことしなくていいのに…。と思いきや水爆もちゃんと止められる。今回黒十字軍がアホすぎますね。切羽詰まってたのかな。一方アトランティス号に立ち向かったミドとアオのバリブルーン。もしかするとバリブルーン、空中戦ではそんなに強くないのかもしれない。動いてない標的を狙うとかは上手いんだけどなあ。アオも慣れてなかったのかもしれないですねこういう操縦に。とどめは空中ゴレンジャーストーム。確かにゴレンジャーはバーディで空を飛べるので空中でもパス回しができる。

 

針金仮面ごとアトランティス号も破壊され、アトランティス計画は失敗。いやでも別の飛行船作ってまたやればいいと思うよ…。次回は剃刀仮面。少し前から始まった次回予告のなぞなぞナレーション、次回の内容を一切喋ってくれないのでちょっと残念です。

 

 

第24話「青い怒り! 強烈ミドメラン大逆襲」

青い怒り!強烈ミドメラン大逆襲

 

またイーグルの隊員が殺されるところからのスタートだよ!まったく!!いい加減に民間人に目を向けろよ!なんでそんなにイーグルばっかり…と思ったらゾルダーの変装でした。テムジン将軍が剃刀仮面の力を引き出すために部下たちを変装させたらしい。よくそんな命令を聞いたなゾルダー…。剃刀仮面、顔のインパクトこそ薄いんですが手持ち武器がビッグ剃刀なのはさすがに怖いですね。剃刀って普通に凶器なので。それでいてちっちゃい剃刀も投げてくる。とにかく刃物をバンバン作ってくるのでシンプルに不審者じみた恐ろしさがあります。でも「ソリイイイイイイイイ!!」って掛け声は普通に面白い。

 

テムジンはアトランティス作戦の失敗以降、打倒ゴレンジャーに目を向けた様子。日輪達が全然日本を征服できなかったのはゴレンジャーのせいだと自分の失敗で気付き、アイツらを倒すことが第一歩だと悟ったのでしょう。そんなゴレンジャーのミドとモモは、関東イーグル隊総司令部から、ゴレンジャー基地へつながるオイルパイプラインが記された秘密カードの移送を任される。こんなカードをどうして移送するんだ…と疑問ですがそれは最後まで明かされなかった。というかイーグル総司令部って前も出てきた気がする。やられなかったんでしたっけ。ミドは安全な移送方法としてミドメランに秘密カードを隠すことに。まあ確かにそれならミドメラン出さなければいいもんなあ。いや、出しちゃうんですけど…。

 

運悪くそこにやって来た剃刀仮面。マジで偶然なのがすごい。ゴレンジャーを倒すことを生き甲斐に!というところからも、テムジンの信頼が厚いことからも、かなりの武闘派であることが伺えます。本当は移送任務を優先しなきゃいけないのに、安っぽい挑発に乗ってしまう明日香。第5話もそうでしたけど、明日香の未熟さが強調される回は好きなんですよね。ちゃんと自分で責任取ろうとするし。ペギーにどれだけ諫められても向かっていってしまうの、本当に最高。剃刀仮面は剃刀なのに岩もスパッといくし、ミドメランもスパッといく。おかげで秘密カードはその場に落ちてしまい、テムジンに拾われることに。あ~あ、ミドメラン使わなきゃよかったのに。

 

ゴレンジャー、大ちゃんがカレー食べながら太郎君とだべっているところで呼び出しを喰らうパターンが多いですね。ほんといっつもカレー食べてるな大ちゃん。秘密カードを奪われたことによって、明日香以外の4人が動き出すことに。ここで行動させてもらえない明日香、悔しいだろうなあ。いち早く剃刀仮面と接触した大ちゃん、カードのことを聞かれるも何とかごまかす。ごまかせてはないけど。そこで大ちゃんの髭を剃ってくれるの、ちょっと優しいですね。いや優しいというか変だけどさ。砥石も用意してるし、マジで剃刀であることに誇りを持ってるんだろうなあというのが伝わってきます。

 

結局解析されて秘密カードの正体はバレてしまうんですけど、そもそもゴレンジャー基地ってほとんど何もないイメージなんですよね。バリブルーンはあるけど。パイプラインをやられたところでどうなるんだろうというのがちょっとよく分からない。でもこの回でやばいやばいと言っているのでヤバいということにします。だとしても移送必要なかっただろうに…。明日香はゴレンジャー基地がバレてしまう可能性も考えてたけど、そこはもう前々からバレてるようなものだしいいんじゃないでしょうか。日輪とか普通に手当てしてたんだし。それなのに総司令はミドに厳しい。と思いきや、今のままでは勝てないんだから何か策を考えなさいという叱咤激励だった様子。ミドメランをスーパーミドメランに改良しようと試みる明日香。マジで健気で好きだなこいつ!

 

そしてバトルがスタート。ミドは早速サイドカーを切り離し、いくつもに分かれるスーパーミドメランで攻撃!ミドメラン単体のパワーでダメなら、トリッキーな攻撃で翻弄しようということですね。これは作戦勝ち。この色々と頑張った結果、新しい技を手に入れるパターンってゴレンジャーでなかなかなかったので新鮮でした。特に未熟者の明日香がそれをやってくれるのは心を打たれる。

 

テムジン、レッドビュートは切断するし背後からのブルーチェリーも手掴みするしで、マジで強いことが伝わってくる。相当な手練れなんでしょう。今のところマシンガン撃ってるくらいしか戦闘してないけど、幹部になるだけあるなあという風格がバトルの随所で演出されてますね。日輪と違って見た目もスタイリッシュだし、今のところ部下からの信頼も厚い。剃刀仮面も危機を悟って先にテムジンを逃がす。剃刀が真面目なのもあるけど、これほどまでに信頼されてるテムジン、すごいな・・・。そして次回は八ツ目仮面。久々の見た目激ヤバ怪人の登場でテンションが上がる。

 

 

第25話「真赤な導火線! 八ツ目の魚雷攻撃」

真赤な導火線!八ツ目の魚雷攻撃

 

第17話の黒髪仮面以来の高久・新井脚本。とはいえ今回もドラマ面は控えめで、船に仕掛けられた爆弾を解除するというワンシチュエーションだけで物語が進んでいきます。逆にそれで30分持たせるのがすごい。色々と粗は感じるけど、ゴレンジャーという作品の枠組みを広げた回でもあるかもしれないです。

 

突然の暴風雨によって次々とイーグルの輸送船が行方不明に。新命と大ちゃんがバリブルーンで捜索を始めたところ、犯人は黒十字軍の八ツ目仮面だった。ここまで鉄製品の地味な怪人が続いていたので、ヤツメウナギをモチーフにしたであろう八ツ目仮面の登場は素直に嬉しい。目が8個あるのは正直あんまり関係なくて、どちらかと言うと電撃を放てたり嵐を起こせたりする能力の方が脅威。船が嵐を乗り越えたところでドラム缶爆弾を設置する黒十字軍。嵐で蹴散らしちゃえばいいのに、囮なのか…。そこにアオとキが流れ込み、船上バトルへ。やっぱりロケーションが違うだけで全然こっちのテンションも変わってきますね。八ツ目仮面曰く、ヤツメウナギではないらしい。どう見てもヤツメウナギだけども。八ツ目シャワー!と言いながら目玉を投げつけて電撃を喰らわせるのが必殺技。これが結構強いし、目が8個しかないからと言って回数制限が設けられてるわけでもなさそう。

 

改めて思ったんですけど、黒十字軍ってやっぱり世界征服よりもイーグル壊滅を優先させているような感じがありますよね。世界征服がゴールではあるけど、その前にイーグルはどうしても邪魔、中でもゴレンジャーはめちゃくちゃ邪魔。だからこいつらをぶっ倒すところから始めようというのがメイン。だからとにかくイーグル基地を襲撃する。その火力があれば多分すぐに世界征服もできるんだろうけど、矜持が許さないのかもしれない。プライドがあるということなのかも。そういう攻防戦のエピソードがメインだからこそ、一般人が出てくるような回が新鮮に感じることもあったり。考えてみれば当時の仮面ライダーには味方組織というものがなかったし、ある意味こういう後ろ盾のあるヒーローものを特色として打ち出すのは正解だったのかもしれない。

 

爆弾を見つけることはできたものの、解除するのは新命達には難しい。そこでペギーを呼ぼうってできるのがゴレンジャーの良さだよなあ。役割分担的なエピソード、上原脚本にはあんまりないので新鮮でした。しかもこの船には東京壊滅レベルの火薬が積まれてるらしい。いやあこれは八ツ目、嵐で海の藻屑にしなくて大正解。というかイーグル、たまにマジで物騒な時あるから本当に気をつけてほしい。こっち勢力の軍事力も大概なんだよ…。海城、ペギー、明日香の並びがどこか新鮮。ペアはあってもあ 3人で行動することあんまりないですからね。もちろん八ツ目もペギーが爆弾に詳しいという情報は抑えていて、ペギー達を迎え撃つ。そして見事ペギーを戦闘不能にまで陥らせて作戦は続行。あの海城が爆弾処理に手こずるの、すごくいいですね。そこでイーグルの爆弾処理班を呼ぼうということに。そういうのいるなら最初から呼びなよ…。その警備を頼まれながら目の前で全滅させられてしまうアオとキ。お前らマジか…。

 

とはいえそんな醜態を新命達が晒すわけにはいかないので、八ツ目仮面を追い詰めて爆弾の解除方法を聞き出すことに。8個ある目を1つずつ射っていくの、鬼畜すぎる。多分新命には拷問の経験がありますね。そこで赤を切れば解除できるという嘘を教え、逃げ帰るように海へ飛び込む。あまりに情けない。しかし総統の前では「へへっ!嘘教えてやりましたぜ!」ってドヤ顔してるのホント最高でした。2択で嘘言っただけでその自信はなんなんだよ。というか海城でも解除できなかった爆弾が、コード1本切るだけでなんとかなるんだ。

 

海城が自分が何とかすると言い出して、そこに残ろうとする明日香。未熟だけど何かしたい、仲間が目の前でやられるかもしれないなんて嫌だって気持ちがすごくよく伝わってきます。この辺りはやっぱりドラマ性を深めた両脚本家の回って感じがしますね。24話で挑発に乗っちゃったのはさすがに見てられなかったけど、今回は新命達に諌められることも含めてよかった。新命は「これも立派な仕事だ!」と言って明日香をどうにか逃がそうとするけど、それが忖度でしかないことは明日香もよく分かっていて。何もできない無力感が観ていて辛かったです。でも逃がそうが逃がすまいが、爆弾が爆発すれば東京なくなるのであんまり意味ないんですよね。そこは引っかかった。その後の2人残った海城と新命の目配せ、最高!実力面でも気質でも互いを信頼し合っているからこそのアイコンタクト…!このエース2人が死を覚悟するのちょっとさすがにテンションが上がりますね。まあコード1本切るだけなんだけど。

 

それにしても八ツ目、ゴレンジャーが本当に赤切って爆発させるだろうと思い込んでるのめちゃくちゃアホでかわいい。結局爆発しないなら自分でやるわい!と用意していた魚雷に乗船。別に乗らなくていいだろうに。歯車もそうでしたけど、最近の怪人は自己犠牲が妙に多い。自分の命を軽く見てますね。逆に日輪やテムジンの幹部クラスはポジションを奪われたくない、評価されたいってプライドに溢れている。他を蹴落としてでもという野心がなければ幹部にはなれないのかもしれない。しかし魚雷は潜ったアカにあっさりと方向転換されてしまう。マジで遊泳くらいのスピードしか出さなかったのなんなんだよ。そして地上でバトル。得意の八ツ目シャワーもダブルで放っても、アオは頭に避雷針を載せたので問題なし。避雷針ってなに???そんなんでいいんですか???

 

ラスト、ハツ目の目をどんどん射るアオレンジャーが素敵でした。怪人の目玉を的としか思ってない狂気が満ちててよかったです。爆弾解除の緊迫感だけで30分ドラマできちゃったのでもう無敵みたいなとこありますねゴレンジャー…。