スーパー戦隊シリーズ『秘密戦隊ゴレンジャー』感想 その6

ゴレンジャーの感想、第6回です。

毎回つらつらと各エピソードの感想を書いているんですが、さすがに人からの評価が読みたいなあと思い、インターネットを漁り始めました。しかし…全然ない!!

インターネット発足以降、ゴレンジャーの感想を事細かく書いているサイトなんてどこにもないのかもしれません。Twitter(今はもうX…)で調べてもあんまり出てこない。あんまり特撮観ない方の「ゴレンジャーみたいですね!w」とかそういうリプばっかりが出てくる。戦隊シリーズ第1作だしそれほどまでに広く認知されているということではあるんですが、検索する際にはちょっと面倒で困っています。もしこちらを読んでいる方でゴレンジャーの良い感想記事とかまとめとかを知っている人がいたら教えてください。

 

 

 

 

第26話「青すじ七変化! 恐怖の毒薬博士」

青すじ七変化!恐怖の毒薬博士

 

この回、最初観た時本当に面白すぎて笑い転げた記憶があります。ゲスト怪人の青すじ仮面がとてもユニークなんですよね。というかまず青すじって…。そりゃあこれまでも「それをモチーフにした怪人なんてアリ!?」みたいなのはいたんですけど(黒髪とか)、青すじはさすがに突き抜けている気がします。青すじを際立たせるためか、白を基調としたデザインなのも特別感があってすごい。結果、かなり怖いのに造形はすごくシンプルという不気味さが醸し出されていて、これもまたすごい。その青すじ仮面が黒板に化学式を書くところから始まるこの第26話。というかテムジン将軍が出てきてからある程度鉄製品で統一していたのに、八ツ目仮面からの青すじ仮面っていう切り替えも無茶苦茶ですよね。

 

今回狙われたのはイーグル金属材料研究所の松本博士。普通の鉄より何万倍も強いウィスカーという鉄を開発したため、それをイーグルが軍事利用しないように抑止するのと、ついでにもうウィスカー奪っちゃえよ~みたいな任務を言い渡される青すじ仮面。博士が狙われるパターンは王道ですが、青すじ仮面があまりに独特なので見応えも抜群。毒のエキスパートっぽいのに、崖の上から粉を撒くだけ???と思いきや、それは眠り薬。真骨頂は毒吹き矢七変化という7種類の必殺技にありました。なんかこれ『HUNTER×HUNTER』っぽいな…。ポックルがこういう念能力でしたよね。1つ目はサビルタンS!この効能が分かりやすいネーミングが最高。喰らった松本博士は錆びついてしまう…という。しかしなんと、輸送していたウィスカーは偽物で、イーグルでさえその事実を知らなかった。この「なぜ偽物???」という謎も物語を引っ張っていきます。色々な面で抜け目ない回で、曽田脚本の気合の入りようが伝わってきますね。

 

松本博士が運ばれたのは関東イーグル病院。その入り口にはでかでかと「関東イーグル病院」という看板が。そんな風に書くから黒十字軍に狙われるんですよ…。本当に情報漏洩とかその辺イーグルはガバい。カモフラージュしてくれ。警備員達は海城に誰も通すなって言われていたものの、急患だと言われてどんどん通してしまう。甘すぎる…。しかしそこに突如現れる明日香。押し掛けてきた人々に対し、なぞなぞを出す。なぞなぞの答えが合言葉になっているパターン。毎回なぞなぞはやってきてるわけですけど、こういう捻った出し方をされると嬉しい。いつも太郎君ではさすがに芸がないですもんね。というかここで気付いたけど海城がパンチパーマになってました。

 

青すじ仮面ももちろん登場。ハネルタンOで敵を跳ねさせ、カレルタンKで樹木を枯らし、ハシルタンVで…。このハシルタンVをキの攻撃によって自分に当ててしまい、死ぬまで走り続けることになってしまう青すじ仮面。ここがもうあまりにギャグすぎてめちゃくちゃ笑ってしまう。カレルタンKとかの方が絶対いいだろうに、なんでずっと走らせる毒薬なんて持ってるんだこいつは。このままあの見た目で街中を駆け回るのも最高。あと声がいいんですよね青すじ仮面。調べたら『新世紀エヴァンゲリオン』で冬月の声をやっている方でした。というかこの青すじ仮面を庵野監督が気に入ったことで、冬月に抜擢されたそう。いやあでも気持ちは分かります。好きになるもん青すじ仮面。止めてくれええええええって言ってずっと走り続けるの本当に面白い。ゾルダー達に強引に止められる中で「血液を入れ替えろ!」と命じるんですが、それをアオに聞かれたことで松本博士を救う方法を知られることに。

 

でまあ松本博士も血液を入れ替え(血液の入れ替えってそんなに簡単にできるんだ)、無事に回復するんですが彼もウィスカーが偽物であったとは気づかず。助手の内山博士が怪しいのではないかという流れに。ミステリー要素で話が進んでいくゴレンジャー、なんだか新鮮でとても面白いです。そこでゴレンジャーが向かったのはイーグル金属材料研究所。これも看板にイーグルと書いてあって不安になりますね。そこに居た内山博士はウィスカーに魅入られており、何と独自に剣を作っていました。こんな突然マッドサイエンティストが出てくるなんて…!そのまま青すじ仮面にウィスカーの剣を奪われてしまい、青すじは速攻でウィスカーの吹き矢に改良。いや、最強の鉄で吹き矢を作る意味あるか…。剣のままで絶対よかっただろ。ウィスカーの吹き矢は鉄の盾さえ貫通する武器となったわけですが、これは別に硬度じゃなくて肺活量の問題な気がしました。

 

そしてバトルへ突入。ゴレンジャーサークルという5人で怪人を囲み瞬間移動を続ける必殺技が初登場。せっかく瞬間移動ができるのにお互いの元居たポジションはキープなのであんまり意味がない気はする。その果てにアオがバリブルーンからマグネットを出し、結果的にウィスカーの吹き矢は無用の長物と化してしまう。というかこのマグネット、鉄製品入っている怪人に対しては万能なのでは。ラストにバタンキューZというとびっきりの毒薬を放とうとする青すじだったが、吹く直前にブルーチェリーを矢筒の逆方向から喰らってしまい大激怒。青すじ仮面は青すじ立てて怒ったぞ。すごく良いセリフなのでもっと言ってほしかった。青すじ仮面の個性もそうなんですが、ミステリーが話の推進力になっていたりと、上原脚本とはまた違った味が出ていた曽田脚本回でした。

 

 

第27話「黄色い物体Q! ゴレンジャー基地SOS」

黄色い物体Q!ゴレンジャー基地SOS

 

第5話の感想の時に「この回が一番好きかもしれない」って書いた記憶があるんですが、早くも更新されてしまいました。改めて視聴してこの27話、めちゃくちゃ面白い!キャラクターの心情などを描くとどうしても令和の今では話運びに無理があったり、ツッコミどころが出てきたりしちゃうのが昭和特撮(いや当時も多分ツッコミどころはそのままだったんだろうけど)なんですが、この回は勢いだけで物語が進む分、素直に面白かったです!この感想、30分観る時にはスマホで少しずつメモ書きをして後でそれを一話一話清書しているんですけど、メモ書きが「面白い!」で埋まるほど面白い。その面白さに一役買っていたようなのが、殺陣の変更。いわゆるアクション監督が今回から変更になっていたようで、岡田勝さんがここから担当することになっていたらしいです。ちなみに24話の時点で既にそこまでを担当していた高橋さんから池田さんに変わっていたようなんですが、これは気付けませんでした。しかし今回の変更、だいぶ個性が出ていてすごいです。後で詳しく書きます。

 

物語は0010から「テムジンの秘密兵器が空輸される」と情報が入るところからスタート。0010、前も出てきませんでしたっけ。その人は死んだんだっけ…くらいの曖昧な記憶。しかし今回はこの0010が重要人物となっています。情報を聞いたゴレンジャーは黒十字軍の輸送経路を狙い、兵器を略奪。いつもはイーグルの兵器を黒十字軍に奪われるパターンなので真逆ですね。この時点で既に新鮮味があってワクワクしてしまう。兵器の中身は透視不可のデカい箱。新命に言わせると「物体Q」らしいです。めちゃくちゃかっこいい…。わけわからない物体を見たら名付けたいですね、物体Q。0010曰く、中身は黒十字軍の戦略を左右する新型レーザー銃だそう。この0010が地味に高身長イケメンなのもいいんですよね。セミレギュラーくらいの風格がある。しかも黒十字軍にスパイとして潜入してるって、ある意味ゴレンジャーよりも過酷な任務を背負わされてますからね。

 

そしてテムジン自ら物体Qを奪回にくるのも、すごく臨場感がありました。まあテムジンは割と前線に出てくるけども。ここでバトルが始まるんですが、もうカメラワークがいつもと全然違って臨場感たっぷり!ゾルダーの視点になっていたり、定点ではなくカメラ自体がゴレンジャーを追いかける形になっていたり!崖の下やちょっと高い位置から定点でバトルを見つめるタイプのカメラワークが多かったですけど、もうこの変化だけでだいぶ「おおっ!」と前のめりになってしまいました。明らかにテコ入れというか、いつもと違うことをやるぞ~という気概が伝わってきます。そしてテムジンにはブルーチェリーさえも至近距離でかわされ、ミドメランさえも効かない。いやマジで強いなこの幹部…。というかここまで一切ゲスト怪人が出ていない。

 

物体Qの移送先、ゴレンジャー基地なら安心だなということで早速移送が開始。しかしここで0010が裏切っていることが明らかに!彼は権力欲しさに黒十字軍に寝返った二重スパイだった!箱の中身は鉄の爪仮面。その任務はゴレンジャー基地の破壊!めちゃくちゃインパクトのある登場だし、まんまとゴレンジャーが乗せられちゃったのも悔しい。そして暗い基地での生身バトルが開始される。大ちゃんを投げて頭突きを喰らわせても、びくともしない鉄の爪仮面。まずこの1体の大暴れする怪人を5人でどうにか食い止めるというバトル自体が、ここまでの回で初めてなんですよね。基本周りのゾルダーを倒した後に、武器を使って少しずつ怪人を追い詰めるのがゴレンジャーの基本。それなのに狭い室内で大暴れする怪人を一斉に止めにかからなくてはならない。多分ゴレンジャーの苦手とするところだったのでしょう。力でごり押しされると案外弱いのかもしれない。

 

ゴレンジャーマシンまでぶっ壊され、バリブルーンの格納庫が狙われることに。強い。とにかく強すぎる。しかし格納庫の切れかかった蛍光灯のノイズが鉄の爪仮面の弱点だったらしく、そこで行動不能に陥ってしまう。とはいえ逃げられると基地がバレてしまうため、ここで何としても鉄の爪仮面を倒さなくてはならないゴレンジャー。一方、0010の裏切りを知った007は彼に銃を向けるが、0010は逆に007を勧誘しようとする。蛍光灯を変えるだけでいいんだ!しかも太郎君がまた人質に…。それでも姉を励ます太郎君、人質ポジションに慣れすぎてる…。

 

基地に戻り蛍光灯を変えようとするキに対して、全てを話す007。前回はゴレンジャーを裏切ってめちゃくちゃ海城に怒られたものの、今回は葛藤の末にゴレンジャーに味方することに。彼等への信頼も厚くなっていたのかもしれません。鉄の爪仮面の圧倒的な強さだけでも面白いのに、この007と0010のスパイとしてのドラマがめちゃくちゃ熱いのも最高。太郎君の救出はミドと007に任され、残りは鉄の爪仮面を捕まえることに。蛍光灯を切り替えて意気揚々と出現したところを、不快音波を出す装置で迎え撃つ。しかし外に出すとテムジンの助けによって復活されてしまう。ブルーチェリーさえ折る強さ。キレンジャーのYTC(これ地味に初出じゃないですか??)で音波を出すも(じゃあ不快音波を出す装置はなんだったんだ)、太郎君を人質に取られてキはなくなくYTCをしまうことに。

 

そこに現れる007!0010を射殺し、見事太郎君を救出!ミドと一緒に太郎君救いに行ったのに結果的に合流しちゃったの何やってたんだろう。そして新必殺技、ゴレンジャーストーム ニューパワー作戦!初めての今回は「もぐら」。殺陣が新しくなったということは岡田さんの発案なのでしょうか。もしくはこの新技を含めて、全体的にアクションの活性化が図られたのかも。いつもの通りボールをパスしていき、最後はモグラに変身。地中を進むモグラが顔を出したところで鉄の爪仮面が「こんなの!」と踏みつぶすと大爆発。威力の変化とかはよく分からないんですが、ユニーク度は確実に増していました。毎度おなじみ太郎君とのなぞなぞも、生還出来てよかったねという安心感が強まってよかったです。いやあこの回、本当に面白かった…!

 

 

第28話「赤い大噴火! 地底基地に潜入せよ」

赤い大噴火!地底基地に潜入せよ

 

街の地底から謎の兵器が登場し、街中が火の海に…!と思いきやミニチュアでした。ミニチュアでやる必要あるか?と思うんですが水でも消えない火をアピールするにはよかったかもしれない。それを開発した吉野博士、ようやく帰れるかと思いきやまさかの人質にされてしまう。一人娘に危害を加えるぞと言われたらそりゃあ何もできないですよね。今回もお馴染みの博士誘拐パターンです。怪人は鉄グシ仮面。聞き逃したかもしれないんですが、初めて怪人の名前がセリフに出てこなかった回かも。おかげで調べないと分からなかった…。鉄グシ仮面は鉄グシとか一切関係なく、東京をマグマに沈める東京大噴火作戦の準備を着々と進めていたそうです。

 

そのためには吉野博士に更に協力してもらわねばということで、娘まで誘拐しようと企みます。浮浪者じみた労働者に命令し、公園で太郎君と一緒にいる娘に声をかけさせる。そこに現れるペギー!偶然だろうけどナイスでした。任務に失敗した男はゾルダーに殺されてしまう。彼は最期、ペギーに対して「工事現場」と言い残す。人々を強制的に働かせて黒十字軍が何かを作っていると悟ったゴレンジャーは早速聞き込みを開始。工事現場だからって工事中の人達にばっかり聞き込みするの、ちょっと安直すぎやしないだろうか。その道中、手錠を付けた脱走者に遭遇する海城とペギー。彼を追いかけるが、またも口封じに殺されてしまう。ゴレンジャーが街中に居るのあんまりないので、何だか新鮮でした。街ロケ、もっとやってくれるといいんだけどなあ。

 

何やら相場の3倍の金を出して人を集めている奴らがいるらしいと聞き、海城は変装して潜入することに。にしてもこの海城の変装がさすがに変すぎるんですよね。まあでも大ちゃんも欺けたし、そういう意味ではすごいのかもしれない。ゴレンジャー側も必殺技をパワーアップしようと総司令から発案があり、その成果が前回のニューパワー作戦だった様子。敵仮面の弱点を突くらしい。前回の鉄の爪仮面は速攻で「もぐらが弱点だ!」と思われたっていうことなのでしょうか。というか結局爆発するから弱点とかじゃない気がするけどな。

 

わざと捕まる海城。銃向けられた時の間抜け顔があまりに面白すぎる。何だこいつは。急にコミカルになりましたね。本来なら大ちゃんとかの役回りな気がするけれど、こういう海城初めてなのでめちゃくちゃ面白い。というかこういう表情作れるなら007に急にブチギレたの本当に何だったんだ。黒十字軍、相場の3倍というのは人集めのためのホラで結局お金は出してくれないらしい。それ仕事終わった後に言えばいいのに…。トラックから降ろしてすぐ言うのはモチベーション下がっちゃうのではないでしょうか。通信機を落とす海城。バリブルーンで新命が出動し、かろうじて敵の場所の把握には成功。しかし通信機は鉄グシ仮面にバレ、海城が潜入していることもバレてしまう。そもそもゴレンジャーのメンバー、素顔バレてるの厄介だな…。

 

大噴火装置を止めようという流れはできたものの、海城は吉野博士と共に牢屋に入れられてしまう。しかし靴に仕込んだ風船に手紙を括りつけ他のメンバーに知らせることに成功。堂々と屋台持ち込んで工事現場で中華そばを作り始める大ちゃん。明日香・ペギー・新命が注文をし始める。何だこの茶番は。新命に対して「仕事の邪魔だ、消えろ!」って言う辺り、彼らが部外者だっていうことは分かってるらしい。通信機には気付くのに、屋台は工事現場に入れちゃうのかお前ら。あと大ちゃんがカレーじゃないのも面白かったです。

 

そこから始まる工事現場バトル!前回に引き続き屋内でのアクション。個人的に採掘場や荒れ地よりもこういうギミックがある方が好きなので嬉しいです。鉄グシ仮面は杖から炎を噴射。しかしモモミラーに跳ね返されることに。モモミラー、何でも跳ね返す能力を持っているのでしょうか。それじゃあまりに強すぎる。ブルーチェリーやミドメランもバンバン出てくるし、アカはレッドビュートから2万Vの高圧電流を。技がどんどん多彩になっていくというか、いろんなアクションを披露してくれるようになったかもしれません。格闘戦ばかりだとどうしても飽きるので、これは素直に嬉しい。ゴレンジャーストームは壁にそれぞれ1回ずつぶつける形に。意味があるのかは不明ですが、こういう見栄えの変化は大事!でも、すっぽん??最後何になるのかってモモが決めてるのかな。だとしたら相当センスがぶっ飛んでいる。鉄グシに対してすっぽんが有効だと思ったことがまずないんだよ。

 

鉄グシ撃破後も、噴火装置を止めなくてはならない。バリブルーンが出動し、ドリルミサイルで見事噴火装置を破壊することに成功。バリブルーンってマイクとかもそうだし、本当に何でも出せて万能ですよね。海城の変装だけで充分面白い良い回でした。

 

第29話「赤い追撃! なぞの封印列車」

赤い追撃!なぞの封印列車

 

この回、曽田脚本があまりに活き活きとしすぎていて最高でした。もうキレッキレ。誰にも止められない。封印列車どころか暴走特急。センスが炸裂しすぎている。黒十字軍の秘密指令を受けた貨物列車に乗っているのは、黒十字軍鋼鉄部隊のエリート。この「鋼鉄部隊」っていうのを全く聞いたことがなかったんですが、どうやらテムジンの部下達はみんなこのように呼ばれているらしいです。確かに日輪よりもテムジンの方が部下に慕われている印象があった。

 

一方イーグルは新コンピュータ、スーパーXを開発。人工頭脳が埋め込まれているという優れた代物だけれど、名前があまりに馬鹿すぎる。あとこれを作った博士の喋り方がばいきんぐの小峠に似ているのも若干気になりました。そんなスーパーXは、いきなり迫る危険…黒十字軍の接近を教えてくれる。これはさすがにすごい。計算とかだけじゃなくて普通にセンサーみたいなのが付いているのでしょうか。しかし警告も虚しく、黒十字軍に奪われてしまいます。言葉だけで説明するといつものイーグル兵器奪われ回なんですけど、スーパーXの個性があまりに強すぎるために独特の味が出ています。

 

ゴレンジャーの前に現れる鋼鉄軍団の扉仮面。なんだかやっぱり生身アクションが増えてきた気がします。これはこれで嬉しい。スートが書かれたかわいい箱に入る扉仮面。ゴレンジャーが開くとそこには誰もいない。あれあれ??みたいな感じで4人とも箱の中に入っちゃうのがかわいいですが、どう考えても迂闊。手品が得意な扉仮面は箱から脱出し、外から鍵をかけて爆弾を仕掛ける。閉じ込められたゴレンジャーは一巻の終わりかと思いきや、アカがヤリビュートで天井に穴を空けます。そのままバーディで3人が脱出。しかしバーディの勢いで箱がさかさまに!せっかく作った穴が地面になってしまう!いやアホすぎるだろ!!!!なんだよバーディの勢いでさかさまになるって。というかせっかく鍵掛けた箱の耐久性が脆いのもどういうことなんですかね。あと普通にヤリで他の面壊せばいいだろ…。「4人死ぬより3人が生き残る…それがゴレンジャーだ!」と妙に真剣味を出してきます。いやヤリで早く他の面を…!結局箱は爆発してしまうものの、直前にドリルビュートなる新技で地面を掘っていたアカレンジャー。3人は海城が死んだものと判断し、敵討ちを決意します。経緯はアレだったけど、ちょっとグッときてしまう。

 

扉仮面は奪ったスーパーXを封印列車に封印。いやまあ鍵掛けただけなんですけども。扉仮面、とにかくモチーフに忠実な能力を披露してくれるので真面目なんだろうなあと思いました。前回の鉄グシ仮面なんて鉄要素ほぼなかったのにね。そして今回の作戦が明らかに。スーパーXを利用して、宇宙にある人工衛星やロケットを一斉に東京に叩き込む!爆発とかとは違うちょっと斬新な方法にビックリ。というかスーパーX、そんなことまでできるものだと思われてるのか。斬新な作戦を聞いて総統がご機嫌なのが面白かったです。いやあでも分かるよ、こういう新しい作戦聞くとテンション上がるよね。

 

列車を追う3人に追いつく海城。海城が生きてた!とみんな大喜びするのがよかったです。もう30話近くの付き合いなのでこのメンバーを大好きになっている。そして襲い来るゾルダーを一手に引き受けるキ。少年漫画でよくある「ここは俺が食い止める!お前らは先に行け!」のパターン。何か今回やけにアツい展開が多いですね。続いてはモモとミド。キと同じパターンかと思いきや、ゴレンジャーにおいて万能のアイテム・網で捕まってしまう。結果追跡から脱落し、アカが一人で列車へと向かうことに。一方の黒十字軍、総統がスーパーXを待ち切れないの本当にかわいい。

 

列車VSバリブルーン、列車だけならバリブルーンが負けるはずがないんですが、スーパーXがとにかく強い。スーパーXには正義と悪の見分けがつかないため、平気で黒十字軍の味方をしてしまう。つまり人工頭脳自体は正義でも悪でもなくて、使う人間に左右される…ってこれ『仮面ライダーゼロワン』じゃん!いやまさか令和ライダーとゴレンジャーが重なる瞬間があると思ってなかったのでめちゃくちゃ面白かったです。しかしここでとんでもないことが発覚!スーパーXは室温18℃を保てていない場所に放置するとおかしくなってしまうのだった!これマジで劇中でも「おかしくなる」って言ってるのが最高。もっと言い方あるだろうに、機械に対しての理解が全然なさそうなのがいいんですよね。アツイ、アツイと暴走を始め、訳の分からないなぞなぞまで出してくるスーパーX。曽田脚本、筆が乗りすぎてるよ!!

 

列車に追いつくアカレンジャー。しかしスーパーXが入っている列車には開けられない南京錠がつけられている。扉仮面、鍵を掛けることに関しては本当に強い。この後ゾルダーが普通に鍵使って開けてたのでただの南京錠な気もするけど。スーパーXはどんどんおかしくなり、エネルギー回路が爆発寸前に。鍵を開けられないなら上から入ればいいということで再びドリルビュート!そのままアカレンジャーパンチ!という謎技で突入するも、ちょうどスーパーX爆発のタイミングで海城はノックアウト!新技まで登場して思いっきり爆発するの、さすがに腹抱えて笑いました。

 

無事だった人工頭脳を回収するテムジン。そしてあらかじめ冷蔵庫に改造していた扉仮面の頭に人工頭脳をセット。怪人の頭を冷蔵庫に改造するな。テムジン曰く、人工頭脳は冷やせば生き続けるらしい。そんなおばあちゃんの知恵袋レベルの発想で部下の頭を冷蔵庫にしたのかお前は。扉仮面もそれに文句を言うわけでなくノリノリで海城に死刑を言い渡す。黒十字軍事法廷で死刑決定らしい。別にさっさとやればいいのに「死刑だ!」とか言って列車に轢かせるとかそういう段取りが面倒だけど面白いですね。警備に失敗したゾルダーも一緒に死刑なんだけど、それを言ったらお前もその場に居たんだよな…。

 

海城は列車が目の前まで来たところで突然の命乞い。最後の頼みとして目隠しを要求します。は?胸ポケットにハンカチが入っていると扉仮面にハンカチを出させると、なんと鳩に変身!俺は手品が得意なんだ!ということで口から無限に旗を出し続ける海城。嘘だろ…スーパーXだけで充分に面白かったのに海城…お前まで!先週のコミカル変装とはまた違った面白さというか、なぜか狂気を感じてしまう。その勢いでスーパーXが扉仮面の体を乗っ取る!テムジンでさえ「付き合いきれん!」とどっかへ行くほどにカオスな戦況。だから部下を冷蔵庫にしちゃだめなんだって!「ゴレンジャーストームはまだか??」と要求までしてくるスーパーX。善悪の区別がついてないんじゃないのかこいつ。何でこんなにゴレンジャーを煽ってくるんだろう。ゴレンジャーストームはダブルパワー!ということでボールが2つになっていました。確かにモグラとかよりは強そう。いやあマジでカオスな回で最高でしたね…。

 

 

第30話「金色の火柱! 機雷連続大爆発」

金色の火柱!機雷連続大爆発

 

出ました!ギミックが楽しい高久・新井脚本回。今回面白いのがゴレンジャーの独自性である「5人揃えば勝ち確定」を逆手に取っていることなんですよね。機雷仮面は3000個の機雷を日本(主にイーグル基地周辺)に仕込んで、自身を起爆スイッチにすることで日本を壊滅へと追い込もうとする怪人。ゴレンジャーもできれば道連れにしたいということで、ゴレンジャーを5人自分の周りに集めること自体も作戦に組み込まれている。つまりは5人揃うことが逆にピンチに繋がるという珍しいパターン。この両脚本の回は結構逆張りを続けていて楽しい。

 

原油を満載して日本へ向かっていたタンカーが次々に爆発。これは何かあるぞとゴレンジャーが調べたところ、黒十字軍がどうやら海に機雷を仕掛けていることが分かる。それらをナレーションと明日香・ペギーの会話だけでスピーディーに説明するのが上手いですね。無駄のないイントロ。そして機雷仮面の魔の手は遂に地上にも。イーグル基地周囲に次々と仕掛けられる機雷。またまたバレてるのかイーグル基地は。いい加減にしてくれ。むしろこれまで襲われてこなかったことがすごいよ残ってる基地。そして今回の機雷仮面、自分の作戦にかなり自信を持っていて、とにかく自爆を楽しみにしているらしい。日輪の時はこんな怪人いなかったのに、テムジン編は作戦のために命を投げ出す怪人が多いですよね。やっぱり慕われているのかな。

 

機雷を埋め始める機雷仮面の所に突然のミドメラン。ミドとモモが先駆けて作戦を阻止しようとするものの、機雷ハンマーに機雷スモークと多彩な技を持つ機雷仮面には逃げられてしまう。そりゃまあ機雷仮面、命懸かってますからね。こんなところで作戦を阻止されるわけにはいかない。なんと機雷探知機もついているバリブルーンで機雷を探すものの、逆にどんどん見つかってしまい驚くゴレンジャー。視聴者は3000という数を知っているわけですけど、ゴレンジャーからしたらまさかそんなに埋まってるとは思わないですもんね。でも機雷仮面、ちょっと機雷同士が近すぎない??あと何か荒れ地とか荒野とかにばっかり仕掛けてない??街に仕掛けなさいよ。

 

その仕組みから同時爆発を見破るモモレンジャー。それはさすがにまずいと、ゴレンジャーは三手に分かれて機雷仮面を捜索。一方の機雷仮面はもう既に最後の機雷を埋めるところだった。自爆のし甲斐があるぜ~と意気揚々としている怪人、最高ですね。命を投げ出すことに快感を覚えるの、ちょっと好きかもしれない。ゾルダーが駆け寄り、小さな機雷が1つ余ってしまったことを伝えると川にでも捨ててこいと命令。別に埋めてもよかったと思うけど…。その機雷はボートで遊んでいた007と太郎君の元に。高久・新井脚本、なんとしても007を良いポジションで出したいという強い思いを感じる。ペギーだけじゃヒロイン不足だと思っていたのでしょうか。

 

ゴレンジャーとの対決を待ち望む機雷仮面の前にアオとキが登場。しかし2人ではまだ足らないので、ひたすら機雷ハンマーで応戦。一撃ずつの火力が強いのでそこそこ強敵なんですよねこいつ。必殺技出すことに躍起になっちゃってるのはあんまりよくないけど。モモとミドがアオのSOS信号を受信して合流。本来勝ち筋であるはずの、ゴレンジャーが揃うということ自体がピンチへのルートなの、本当に面白い。思わず「ダメだよ!」って叫びそうになる。子どもだったら叫んでいたかもしれない。そしていよいよ海城が到着…!満を持して作戦の全容を話し始める機雷仮面。いや、話すな!!きっとウズウズしていたんだろうけど、話しちゃだめだからこういうのは!結局自爆しようとしていたところを、銃を取り上げられて逃走。だから話しちゃだめなんだよこういうのは!

 

作戦を知ったゴレンジャーは機雷仮面の自爆を食い止めるために捜索を続ける。銃を取り上げられた機雷仮面の次なる作戦は、ゾルダーにバズーカで撃ってもらうことだった。そこまでする必要なくない?銃もう一丁もらえばいいじゃん。しかも丁寧に杭に縛り付けられてまで…。お前逃げないだろ。爆破されてはまずいと、機雷仮面を救うゴレンジャー。逃げ出そうとする機雷仮面をアオが強力麻酔矢で眠らせ、その隙にモモが爆薬と起爆装置を解体。起きた機雷仮面は機雷マシンガン!と顔の筒穴から銃弾を発射。いやこれは強い…!普通に危険だよ。

 

そして自爆しようと頭を岩に打ち付けるものの、全く反応しない。それもそのはずモモに全て抜き取られているのだから…。ヤケクソになって機雷を掘り起こそうとするも、その隙にゴレンジャーストームの準備をされフェイント攻撃で爆散。機雷だからかいつもより爆発が大きかったです。

 

 

 

今回は鉄の爪仮面が出てきた第27話が良すぎて、そこに全てを持ってかれた感じでした。残り50話近くあるけど、これを超える面白いエピソードは果たしてやってくるのか。ゴレンジャー、博士誘拐のパターンもちょっと趣向を凝らしてきたりしていて楽しいので、これからもどんどん変な回をやってほしいですね。