スーパー戦隊シリーズ『秘密戦隊ゴレンジャー』感想 その7

第7回。1度に5話ずつ紹介して第7回目まで来たのにまだ折り返しじゃないの、驚きますね。改めて全84話って長いなあと。1日2話観ても一ヶ月じゃ足らないですもんね。今回紹介する5話はバリブルーンが結構出ていた印象です。バリブルーン重販促期間とかだったのでしょうか。敵の戦闘機なんかも度々出てくることがありますけど、当時バリブルーンってどれくらい人気だったんでしょう。どんな玩具が出ていたのかとかも後で調べたいと思います。

 

前回の記事はこちら。

 

curepretottoko.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

第31話「黒い挑戦状! 怒れ五つの正義の星」

黒い挑戦状!怒れ五つの正義の星

 

第18話以来、2回目の平山脚本です。前回は一つ目仮面の黒十字予備軍という子どもを利用した悪っぷりが目立った回でしたが、今回は江戸川総司令を軸に据えるというちょっとトリッキーなエピソード。平山脚本回のゴレンジャーはこれで最後なんですが、随所にサブライター回っぽさみたいなものが感じられてよかったです。

 

しかしスタートはまたしてもイーグル基地襲撃から。イーグル基地、もう黒十字軍にやられるために作っているのではないだろうか。今回やられたのは第8支部。もうどの支部が生きててどの支部がやられているのかも忘れてしまった。今回登場する鉄カン仮面(鉄管でいいだろ…)は、バズーカさえ効かない超絶タフネスな怪人。大ちゃんに掃除機のホースっぽいと言われて激昂していましたが、確かに掃除機のホースっぽい。でも令和の今は掃除機にホースなんてないなあと思いました。小さい子が観たらもしかすると分からない可能性がある。いや、ないかな…。ミドメランも効かないし、ブルーチェリーも効かない。体が特殊金属で覆われている鉄カン仮面は、とにかく強い。でもテムジンの部下なんだから皆これくらいできてたっていいのにね。即ゴレンジャーストームにいくパターンは初ですが、焦って必殺技を出す時は大概失敗するのがヒーロー作品。今回も例に漏れず、鉄カン仮面には一切通用しませんでした。

 

ゴレンジャーはそれぞれ鉄カン仮面と戦うために武器を改良したりと創意工夫を凝らす。一方の鉄カン仮面、潜入させていたらしき諜報員がスナックゴンのマスターこそがゴレンジャーの総司令であるということを突き止めていた。この諜報員がすごいのか、これまでそんなことにさえ気付かなかった怪人達がアホなのかどっちかは分からない。しかし、目の付け所としては間違いなく完璧です。鉄カン仮面の強さもなんですが、諜報員も色々やらされてて結構苦労人なことが伺える印象的なキャラクター。手始めにガス会社に変装してゴンに潜入し、ガスコンロに露骨に変な装置を仕掛ける。お客さんとして来て適当に仕掛けてもよかったんじゃないだろうか。総司令がガスを付けると黄色い煙が充満し、そのままマスターは誘拐されてしまう。捕まってもなおとぼけるマスターが最高でした。「人権蹂躙だぞ!警察呼ぶぞ!」っていかにも素人っぽい。怪人を目の前にしても怯まない姿勢は立派ですが、挑戦的な態度が何か酔っ払いにも見える。黒十字軍からしたら総司令だろうが間違いだろうが殺しておけばいいのに、確認取れるまでは殺さない辺りが優しい。

 

「スナックブラック本日開店」の看板を持ち歩きながらペギーをつけまわす諜報員。看板一切要らなかったんですが、「地獄谷へ来い」という挑戦状を無事にペギーに手渡す。愛想よく話しかけてたけどこんなメッセージ送るなら全然変装とかもいらなかった。無駄な仕事を自分で増やすタイプなのかなこの人。地獄谷に訪れたゴレンジャー、江戸川総司令が人質に取られていますが、ここで気圧されて白状したら終わりなのですっとぼけまくります。仮に総司令じゃないにしても救えばいいとは思うんですが、人質に取られていようとどんどん鉄カン仮面に近づいてくる。「殺してみろよ!」と言わんばかりなのちょっと怖いです。そんなゴレンジャーに対して、鉄カン仮面はやっぱりこいつは総司令なんかじゃないと崖から転がす。「恥をかかせやがって!」と総司令を襲う諜報員。大丈夫、あんたは合ってたんだよ。

 

鉄カン仮面、杖を宙で鉄棒みたいにしてたんですが、これは時事ネタっぽい感じでした。生まれる前のやつだと全く分からないですが、ウルトラCっていう言葉があるんですね…。勉強になる。そういえば令和のヒーローってオリンピックを露骨にイジるみたいなことしてないなあと思ったんですが、コロナとかもあったし色々大変だったのでそれどころじゃなかった。伸びるパイプでキのお尻を吸い上げようとするも、レッドビュートを仕掛けられて失敗。スローモーションの演出が面白かったです。後ろからこっそりパイプが弱点だと教えてくれる総司令。でもここは「バカめ!俺が江戸川総司令だぜ!」って流れをやってほしかったという気持ちはありますね。確かに今後に響くことを考えると身を隠してるのが正解なんですけど。

 

モモのネズミ爆弾、アオのリール巻き戻しチェリー。意味はよく分からないんですが、各々鉄カン仮面を倒すために新兵器をしっかりと用意していることは伝わってきました。確かに総司令とか関係なくこいつはゴレンジャーストームが効かないレベルの怪人だった。しかし、ニューパワー作戦は別。ゴレンジャーストーム リールシュートによって、アオのリールをストームがくっつき、見事に爆散。それって強いのかなって疑問はあるんですけど、まあ細かいことはいいです。最後は夕陽を見て感傷に浸るゴレンジャー。夕陽は沈むし俺達は戦い続ける~みたいな良いセリフを言っていたんですけど、これめっちゃサブライターっぽいですね!上原脚本だとまず言わないというか、スポットで執筆に来た人がとりあえずヒーロー感を演出してきたみたいな趣がありました。平成や令和でやられると結構ショックかもしれないんですが、昭和ならもうツッコミどころなんてキリがないので全然アリ。ただ欲を言えば今回、総司令がゴレンジャーを助ける~みたいなシーンが1つくらいはあってもよかったかも。せっかくスポットが当たる回だったので、人質の役回りだけじゃなく、総司令としての威厳を見せつけてほしかったなあ。

 

 

 

第32話「青い熱風! バリブルーン応答なし」

青い熱風!バリブルーン応答なし

 

 

バリブルーンから爆弾が投下されるという衝撃の開幕。ゴレンジャーも実際ヒーローというよりは軍事力の一環だということを再認識させられますね。黒十字軍のやっていることってどこかテロリストじみていて、ゴレンジャーやイーグルの設備は自衛のためのものなのではないか…みたいなことを考えることがあります。チームのヒーローということで軍事色も濃いので余計にそう思うのかも。その分、バリブルーンから爆弾が投下されるというのは衝撃的でした。たとえそれが定期実践訓練だったとしても。しかもこの訓練、黒十字軍にずっと見られている。基地を破壊されるだけに飽き足らず、訓練まで監視されているだなんて…。

 

そしてイーグルに潜入している長官らしき人物スパイS3号曰く、バリブル-ンは重爆撃機かつ戦闘機であり、給油なしで世界一周さえ可能らしい。給油なしって一体どういうことなんだ。そこに黒十字軍特製の高性能爆弾・ブラックゼットを200個積んで世界の主要都市に対し一気に絨毯爆撃をぶちかましてやろうぜ!というのが今回の黒十字軍の作戦。バリブルーンに魅入られる気持ちはよく分かるんだけど、お前絶対アトランティス号のこと忘れてるでしょテムジン。ただ、バリブルーンには優秀な操縦士がいないと話にならんよねえという流れになり、新命の拉致をも計画の一部に。いや先輩の日輪さんは頑張って操縦してたけどね!?

 

今回の怪人、大ナタ仮面は斧のような武器を振り回す凶暴な怪人。ホラー映画の殺人鬼みたいにとにかく武器で攻撃してくるので実際に居たら結構嫌かもしれない。次の訓練は総司令と007が捕虜役になり、それをゴレンジャーが救出するというもの。総司令なんだから指令を出せよと思うけど、まあそこはいいです。そこにS3号が現れバリブルーンの待機場所が移動したと新命に知らせる。信じちゃうよねいくら新命でも。欲を言えば気付いてほしかったけどあんなポジションに就いてる人が黒十字軍だとは思わないですよ。バリブルーンの着陸と共に現れる大ナタ仮面。突然木を割る性格は一体何なんだ。自分の力を見せつけたいのでしょうか。頭の鉈も飛ばせるので、かなり殺傷能力が高い。剃刀仮面もそうでしたけど、刃物を飛ばしてくる奴はもう普通に嫌ですね。しかも大ナタ分身という分身技まで披露し、続く大ナタ投げなる必殺技でアオが負傷。そのまま黒十字軍に連行されてしまいます。アオが負けて連れてかれるの、マジでピンチ感がある。

 

そこでテムジンは事情を話し、新命にバリブルーンのパイロットを依頼。当然やるわけがないが、テムジンには奥の手がありました。新命を探すアカ達の前に現れる大ナタ仮面。ミドメランまで跳ね返し、やっぱり突然薪割りを披露する。しかも今回はその薪を飛ばして攻撃してくる。この大ナタ包み割りという技からアカとモモは大ナタ仮面の弱点を把握する。そんな一瞬で弱点を見破るのはさすがにすごい。これがラストに活かされる構成。そして初登場のゴンの九官鳥。大ちゃんに対していきなり「ばあかばあか」って、さすがに言っていいことと悪いことがある。というか誰がゴンでばあかばあかって言ってるんだよ。

 

テムジンは新命に対して催眠装置をつけ、精神のコントロールを試みる。一方囚われた新命は大ナタ仮面の分身能力に対して、3人を同時に攻撃すればいいのではないかと閃く。そこでテムジン達に呼び出され、ブラックゼット地帯なる地雷地帯で海城達を殺されたくなければ協力しろと命じられる。ここは結構緊迫感があったんですが、何故そのあと普通に新命を手術するんだ。新命に催眠装置つけるなら脅す理由ないし、しかもブラックゼット地帯なんていうのも噓だったらしい。無理矢理やらせるために海城達を人質に取るならまだしも、どうせ催眠装置取り付けるなら麻酔とかで眠らせればよかったのでは。最初こそ操られてしまう新命だが、バリブルーンのコクピットで自らに電流を流し正気を取り戻す。これって正しい知識があってやったのか、それとも電流流せば直るだろ!みたいな安直な感じだったのか。どちらにしても自分に電流を流す決断をサラッとできる新命はすごい。

 

黒十字軍の作戦は失敗し、そのままバトルに突入。やっぱり斧をぶんぶん振り回してくる大ナタ仮面が恐ろしい。殺陣のレベルとかじゃなく、小学生が傘振り回すいきおいで来るからめちゃくちゃ危険。そしていよいよ出てきた大ナタ分身に対して、アオはトリプルチェリーで対抗。見事分身を打ち破る。そして大ナタ仮面が大ナタハリケーンなる大技を披露しようとしたところで、アカとモモが気付いた弱点がようやく活きてくる。ゴレンジャーストームを薪の形にすることで、大ナタ仮面の突然薪割りを披露する性格を利用して大爆発を起こす。弱点というか変な性格を見破っただけだと思いますが、確かにこういう相手の精神のプロファイリングで爆弾決めるのも面白いですね。

 

 

第33話「赤い標的! にせものゴレンジャー出現」

赤い標的!にせものゴレンジャー出現

 

出ました偽物回!スーパー戦隊と言えば、いや特撮ヒーロー番組と言えば偽物回!以降のシリーズでもおなじみになっていますが、その先駆けと言っても良いかもしれません。偽物と直接対決ということはありませんが、偽物によって名誉を棄損されるというのは同じ。曽田脚本、やはり回を追うごとにアイデアが輝いていますね!

 

今回の怪人、鉄ヒメ仮面が狙うのはイーグルプラズマ研究所。核融合プラズマというものを研究しており、これが成功すれば仮に石油がなくなったとしてもエネルギーが尽きることのない、バラ色の未来を人類が手にすることになるそう。いつも兵器ばかりを製造しているイーグルが人類に貢献するエネルギーの開発を…!軍事的なこと以外もちゃんとやっていたんですねイーグルは。そこにまず感動しました。ただそれは黒十字軍的には非常にまずいことなので、死神山砲台というちょうどいい場所から100カラットのブルーダイヤの力を10個合わせたダイヤモンドビーム砲で攻撃し、エネルギーごと研究所を爆発させて東京を消滅に追い込もうとします。研究所の壁はとても分厚く、このビーム砲でしか破壊できないらしい。いつもいみたいに車で研究所に乗り込んじゃだめなのかな。あ~でも怪人が死んじゃうか。

 

日本にちょうど10個ブルーダイヤがあるということで、鉄ヒメ仮面は早速宝石強盗を試みる。鉄ヒメ仮面、モチーフが本当に謎なんですが「ヒメ」は「姫」であるらしく、ちょこちょこ女性的な感性を持ち出してくる怪人でした。あとベロが異様に伸びる。いつもはゴレンジャーが敵地に潜入するパターンがメインなので、怪人が宝石強盗でスパイ活動みたいなことをやっているのは新鮮味があります。ゾルダーのミスで警報が鳴ってしまうのだけれど、鳴らしたところで別にこいつらは警備員くらい倒せるんですよね。しかしそこで自分たちはゴレンジャーだと名乗る鉄ヒメ仮面。うわあこれは最悪。おかげでゴレンジャーにはイーグルの偉い人から外出禁止令が出されてしまう。

 

鉄ヒメ仮面はこれに味を占めたのか、次の犯行現場では謎のペギーそっくりマネキンを用意し、わざと監視カメラに映りこむように盗みを働く。いやこれくらいならさすがに気付きそうなものだが…翌日の新聞にはデカデカとペギーの顔が載ることに。鉄ヒメ仮面は道で配られている号外までちゃんともらい、自らの成果を確認する。新聞を読んだ太郎君もゴレンジャーにガッカリ。というか新聞読むの偉いですね。どんどん泥棒扱いされていくゴレンジャーですが、彼らはブルーダイヤが盗難されたことから、ダイヤモンドビーム砲じゃないかこれは?と黒十字軍の作戦を予想。もうほぼ答えみたいですごいですね。とにかく最後のブルーダイヤを守ろうということになり、すべての責任は私が取るという総司令の名の下に護送を開始。総司令、リーダーの鑑みたいな人だ。

 

そこに出現する鉄ヒメ仮面。花の乙女を名乗り、後ろのゾルダーは黒十字コマンド部隊というらしい。名乗りがあるのもどこかゴレンジャーっぽいですね。というかこいつ、やっぱり乙女なんだ。声はもろ男性なんだけどなあ。ダイヤ護送中の大ちゃんと明日香が襲われるも、荷台に乗っていたのはペギーだった。傘を武器とする鉄ヒメ仮面はミドメランさえ跳ね返し、モモの爆弾も曲芸でどうにかしてしまう。鉄ヒメ仮面、いちいち技が可憐なのがちょっと気になる。結局ブルーダイヤはゴレンジャールームに保管されていて、更に推理の結果ゴレンジャーは狙われているのがイーグルプラズマ研究所なのではないかという結論に至る。こいつら本当にすごい…。新命はバリブルーンで偵察することに。

 

とはいえダイヤはあと1つあればいいんだからわざわざ日本のラストのやつを狙わなくても海外から輸入すればいいのでは…と思ったらその通りの流れになりました。怪しすぎるダイヤモンド密輸組織3人。ダイヤモンド以外の2つのアタッシュケースはなぜか爆弾になっている。ダイヤを持った男が鉄ヒメ仮面が経営しているのかよく分からないバーに行き、取引の直後に殺されてしまう。店の中で取引なの、ちょっと大胆ですね。そこに現れるゴレンジャー、青い布を被っただけの雑な変装で乗り切ろうとする鉄ヒメ。追い詰められた鉄ヒメ「あんた、この美人のなんなのさ!」に対し海城「黙れ鉄ヒメ仮面!」の一言で布を剝ぎ取る。何だこのやり取りは。鉄ヒメ仮面、乙女要素がゼロなのでジェンダーが色々言われている時代ですがどう考えても間違っているのが面白いです。しかし海城達は店に囚われ、爆破寸前に。そこに新命がバリブルーンで駆けつけ、フックワイヤーで天井を剥がし、バーディで空中へ逃げる。

 

残すはダイヤモンドビーム砲で撃つだけなんですが、アカに「待てい!」と言われて素直に待ってしまう鉄ヒメ。乙女設定は全然よく分からないですけど、泥棒とか序盤から頑張っていた分、何だか応援したくなる怪人ですね。しかし自分がダイヤモンドビーム砲を喰らい、さすがの万能傘も壊されてしまう。そしてゴレンジャーストーム桃太郎(桃を割ると爆弾が出る)で爆死。鉄ヒメというよく分からないモチーフに対して桃太郎が有効だと思ったメンバー、すごい。ゴレンジャーもまさかこの数十年後に桃太郎モチーフの後続作品が出るとは思わなかっただろうに…。いや誰も思わないな。

 

 

第34話「黄色いスパイ戦! 見たかYTCの威力」

 

黄色いスパイ戦!見たかYTCの威力

 

キレンジャーこと大ちゃんが主役を張る回!しかも記憶を失った怪人と仲良くする(怪人とは気づいていないんだけど)というちょっとホロリと泣けるような回にもなっていて、すごく良かったです。今回はイーグル科学部の地底探査装置を黒十字軍が破壊しようと目論むという話。黒十字軍の基地は結構地底にあるようで、これが完成してしまったら黒十字軍の基地がほぼ全部バレてしまう。それを阻止するために送り込まれた赤面仮面。赤面ってなんなんでしょうね…。後からアンドロイドになる時能面みたいなのを付けさせられるからその「面」なんでしょうか。〇〇仮面の縛りで「赤面」が来るのだいぶ事故な気がしますが…。ここではゴレンジャーでは珍しい夜戦を見ることができます。実はイーグル科学部に既に黒十字軍のスパイがいて、そいつが情報を漏らしていた…。科学部に潜入するにはあまりに柔道部過ぎるスパイなんですが、自害してしまったので詳細は分からず。ゴレンジャーが5人揃ったところで赤面仮面は逃走してしまいます。

 

そこでテムジンが考えたのがアンドロイド作戦。基地から基地への移送中を狙うのはいつものパターンですが、そこで赤面仮面がアンドロイドに変装してうまくやろうという作戦でした。これ1回ゴレンジャーと会っちゃってる赤面仮面を選ぶ時点で人選ミスなのでは。でも確かに能面っぽいの付けたらアンドロイド感はありますね。このインディアン風なデザイン、本当に一体何がモチーフなんだろう。散歩をしている大ちゃんが商店街の福引で一等を当てる。福引やるだけなのにウキウキな大ちゃんがかわいすぎますね。というかこの回、全体的に大岩大太がかわいすぎる。キレンジャーファンは必見です。一等の商品は世界一周旅行かアンドロイド。ゴレンジャーに世界一周旅行をする暇はないので、迷わずアンドロイドを選ぶ大ちゃん。これも多分黒十字軍の作戦なんだろうけど、大ちゃんが福引やらなかったらどうしてたんでしょうね。

 

持ち運ぶ際にあまりの重さに落としてしまうんですが、多分この時に赤面仮面の回路に何らかの事故が起きて、記憶がリセットされた模様。自宅に持ち帰って健気にアンドロイドを組み立てる大ちゃん。というかキの家、狭くないですか??地味にゴレンジャーの自宅が出るのが初めてなのでちょっと嬉しかったです。あまりに狭すぎますが…。最後はスイッチを入れて起動。元は怪人なのにスイッチとかつけてるの丁寧ですね。アンドロイドが動いたことに大喜びの大ちゃん、無邪気で本当にかわいい。そんな彼が最初に命じたのはカレー作りでした。ゴンのメンバーにも見せびらかしたくなり、アンドロイドと一緒に来店する大ちゃん。ペギー達は「前の怪人に似てない?」と疑うものの、アンドロイド協会の保証書を見せられたので信用してしまう。アンドロイド協会ってなんなんだよ。つかそれで信じるな大ちゃん。しかもなぞなぞまでできてしまう器用なアンドロイド。

 

地底探査装置も完成し、後はゴレンジャー基地に運ぶ方法を検討中。わざと別の場所にバリブルーンを着陸させ、黒十字軍の出方をうかがうことに。やはり待ち伏せをくらい、黒十字軍が動いていることを知るゴレンジャー。一方テムジン側は赤面仮面がゴンのコックになっていることを知る。大ちゃんが名案として、地底探査装置をアンドロイドと二人で運びたいと言い出す。ここまで来ると病気な気もしてくる。でもスマホ替えた時とか見せびらかしたくなりますもんね。新しい靴とか履いた日って人に言いたくなりますもんね。多分そういうテンションでアンドロイドをとにかく活躍させたい大ちゃんがかわいい。海城が若干茶化して止めようとするんですが、日輪に騙されたお前に何かを言う権利はない。

 

結果的に海城達が折れ、大ちゃんとアンドロイドが廃品回収にカモフラージュして、軽トラで探査装置を輸送することに。ゾルダーの「赤面仮面が大岩と一緒に廃品回収業を始めました」って報告が面白かったです。ゾルダーも多分おかしいと思っていながら、状況を正確に伝えることに終始しているんでしょうね…。真面目だこいつ。でも呼びかけまでやったら住民来ちゃうでしょ…と思っていたら案の定テレビと洗濯機を持って行ってくれとおばちゃんが登場。そして自転車を持って行ってくれとあんちゃんが登場。しかしどちらもゾルダーの変装で、大ちゃんにカレーの匂いを嗅がせて隙を作ろうとしていた。まんまとハマってしまう大ちゃん。その隙にアンドロイドは赤面仮面に戻る!というかこれアンドロイドとかなしで大ちゃんの前にカレー出せば余裕で装置壊せましたね。

 

トンネルで赤面仮面に裏切られる大ちゃん。あんなにアンドロイドを可愛がっていただけに、このシーンのショックが本当に悲しいです。平成以降なら赤面仮面が大ちゃんとの日々を思い出して戦いを躊躇うエピソードになったかもしれない。だけどテムジンに回路変えられてやむをえず戦うことになる…みたいな。しかしここはゴレンジャー。まだヒーローと怪人の間に友情は芽生えません。そしてバトルへ。赤面仮面、何がモチーフかは分からないけど武器からマシンガンみたいに銃乱射されるのは怖い。それに対してキレンジャーのYTC!前回、鉄の爪仮面戦でも大活躍だったYTCが再登場。マグネットパワーという技を繰り出し、マグネット金縛りで赤面仮面の動きを止め、ヒューズを抜いて行動不能に。原理は全然分かんないしYTCがそもそもどういう機械なのかもよく分からないんですが、多分メカ系の怪人に対して強いんじゃないかなあと思います。調べたら「Yellow TransCiever」(イエロートランシーバー)の略だそうです。

 

しかしテムジンのアシストによって復活してしまう赤面仮面。アカ「モモ、狙いは顔だ!」って言ってゴレンジャーストームを始めるんですが、狙いを決めるのは最後にボールに触るあんただろ。今回のニューパワー作戦は青天狗。青い天狗のお面が赤面仮面の顔にフィットして、なぜか苦しみそのまま海へ、そして爆発…。赤面仮面が何なのか全然分かんなかったけど大ちゃんのかわいい姿が見られたのでよかったです。

 

 

 

第35話「黒い大怪鳥! コンドラー戦斗爆撃隊」

黒い大怪鳥!コンドラー戦斗爆撃隊

 

前回は「大ちゃんがかわいい!」回でしたが今回は「明日香がかっこいい!」という回です。サムネにもある通り、いきなり磔にされているテムジンからスタート。何をやらかしたんだと思いきや、連戦連敗を死んで詫びるしかないと考えて自らに死刑執行しているそうです。部下のスチール仮面も戸惑ってるじゃん…。どうせ死ぬなら勝手に自殺すればよいのにどうしてわざわざ大々的に死刑にしようとするんだ。しかしそこに現れ宇rのが黒十字総統!総統が青空の下に出てくるの初めてではないでしょうか。普段ずっと基地に引きこもってますもんね。総統曰く、南米のナスカ高原から呼んだコンドラー戦闘機隊ならゴレンジャーも倒すことができるとのこと。日輪もテムジンもそういう触れ込みで呼ばれたので今更…という感はありますが、この回を観れば分かる通り実際強いんですよねコンドラー。

 

海城、ペギー、明日香で束の間の休憩中。突然リンゴを出してくれるペギー。切ってるわけでもないのがペギーって感じがしていいですね。そこに突如放たれるコンドラーミサイル!この奇襲は痛い。コンドラー、バリブルーンより小さくて小回りが利きそうな感じもします。運転するのはもちろんスチール仮面。多分丁度呼んだしどうせならってことだったのかもしれません。コンドラー戦闘機隊の一人が日本来て早速クビにされている模様。あとスチール仮面、タイツが真っ白なのが気になりますね。顔の造形も馬っぽいから白馬イメージなのでしょうか。爆撃から逃れても地上にはテムジンがという挟み撃ち。ゴレンジャーマシンで逃げようとするも、モモとミドのマシンを爪で抱えて空中へ持っていくコンドラー。やることがえげつなすぎる。そのまま地上へ落下させられ…これバーディなかったらモモとミド確実に死んでたでしょ。『仮面ライダーアギト』にも人を空中に瞬間移動させてそのまま落として殺すヤバい怪人がいたんですけど、このタイプの空中に持ってける敵は本当に自分が強いことを自覚した方がいいです。

 

致命傷を負ったミド。新命と大ちゃんがバリブルーンで救出に向かうも、バリブルーンにまで噛みつくコンドラー。4機いるのも地味に嫌ですね。重傷を負ったミドを抱えながら逃げるのは厳しい…。ミドは「足手まといの俺は置いてってくれ!」と訴えるも、アカは「ゴレンジャーの一員じゃないか、勇気を出せ」と励ます。これミドがいたたまれないですよね。自分が怪我を負ってしまったことで周りの迷惑になっている…。すごく辛いと思います。普段は明るいけど明日香は多分自分が一番若くて力がないっていうことを自覚しているっぽいし、この状況は何より彼の嫌うシチュエーションだったかもしれません。そして明日香が庇ってもらっていることを負い目に感じる中で、ゴレンジャーの他4人にも「急いで明日香を助けなくては…!」という意識が芽生える。いつもは黒十字軍を倒そうとかゲスト博士を救い出そうとかそういう動機なんですけど、今回は仲間の大ピンチ。コンドラー部隊によって追い詰められていく中で、そういう連帯感が強く打ち出されていて緊迫感がすごく出ていました。

 

川で再びやられてしまうミド。3人は洞窟に逃げ込みますが、明日香の怪我は血清が必要なレベルにまで悪化していた…。新命達は修理が終わったバリブルーンで血清を届けに出動。明日香のため、囮になる海城。仲間のために動く4人が本当にかっこよすぎるんですよね。そして助けられている明日香の心情が何より胸を打ちます。ゴレンジャーマシンから銛を出して攻撃するモリビュート!それによりスチール仮面の乗るコンドラーを撃破。あ~あ部隊の一人が早速クビになってるのにこの醜態はないよスチール仮面。というかスチールって鉄ですよね??最近の怪人鉄製品ばっかりなのに代表みたいな名前してるなこいつ。スチールカッターにスチール鎌(鎌というより鋏)という、絶対スチールって言わなくていいじゃんみたいな武器で攻撃を仕掛けてくるスチール仮面。その隙にキが明日香に血清を届け、明日香は復活。しかし洞窟の入り口ではゾルダーが火炎放射器で迎え撃つ。それすらも華麗に食い止めるアカ。今回アカが大活躍すぎますね。MVP。

 

5人揃ってのバトル、スチール仮面は言うほど強くもなさそうなので割とサクサク進んでくれました。と思いきや、ブルーチェリーで口を横から貫かれてもあんまり動じないのはすごい。しかもモモの爆発も全然効いていない。コンドラー操縦させるよりも地上部隊としてゴレンジャー追い詰めた方がよかったんじゃないでしょうか。更にゴレンジャーストームまでも、スチールネットという網で跳ね返すことに成功!ゴレンジャー世界で網はとにかく強いですからね。捕獲面では圧倒的な武器でしたが、ストームを跳ね返すほどにまで成長していたたとは…!しかしニューパワー作戦、ミドメランストーム!ミドのターンでゴレンジャーストームにミドメランを合体させる新技。それはさすがにネットでも跳ね返すことができず、見事撃破。しかしコンドラーはまだ3機残っており、次回以降もゴレンジャーを苦しめるようです。

 

 

 

というわけでまだまだ続くテムジン編。コンドラーなる新兵器も登場しました。後半の2話はキとミドにスポットを当てた回になっていて、こういう回はやっぱり見やすいなあと思いました。平成世代なので個人がメインで活躍する回がやっぱりスーパー戦隊の基本フォーマットみたいな気持ちがあるんですよね。でも怪人がずっと大暴れしてる回も好き。テムジン編、ビジュアルのインパクトこそ初期には劣るんですが怪人の特性自体は割と通常営業なのがいいですね。