スーパー戦隊シリーズ『秘密戦隊ゴレンジャー』感想 その8

第8回。ここまで来ると日々感想を書くのも慣れてきますね。

今回の5話は上原、上原、曽田、曽田、上原脚本の順。以降はスポットで高井・新久脚本が入ることもあるものの基本的にこの2人がメインとなって回していきます。どちらも本当に多彩で、当初は王道の上原脚本に曽田脚本が外連味をもたらしていく~というニュアンスが強かったんですが(登板回数的にそう見えるだけかも)、上原脚本もだいぶトリッキーな戦法を使ってくるようになりました。特に続いて紹介する第36話なんかはドラマ色が濃厚ですごくよかったです。

 

 

 

 

 

第36話「真赤な猛進撃! 動く要塞無敵戦艦」

真赤な猛進撃!動く要塞無敵戦艦

 

上原脚本、第34話に味を占めたのか?というくらい大ちゃんのドラマにスポットを当てた回。赤面仮面をアンドロイドだと思い込んで友情を育んでいくのは大ちゃんらしくてすごくよかったですが、まさかこのスパンでそれを更に昇華する回が来るとは思っていませんでした。でも第34話より更にドラマ性が強くなり、大ちゃんへもすごく気持ちを乗せることができて、まるでゴレンジャーではないかのようなエピソードに。というかいつものおふざけがほとんどなかったですね…。

 

イーグルロケット研究所なる施設を護衛していた明日香と大ちゃん。大ちゃんはカレーの出前?らしきものを頼んで食らいつくが、そこには睡眠薬か何かが盛られており大ちゃんはフラフラに。そこに現れる軍艦仮面達。またもイーグルの施設が襲われてしまいます。一体いつになったら学ぶんだよ君たちは。軍艦仮面はロケットエンジンの設計図を奪いに来た様子。軍艦仮面、怪人がいつも持つ杖が錨みたいになってるのがいいですね。頭の軍艦から砲撃をすることもでき、中距離にも対応できる戦闘スタイル。見た目は思いっきり軍艦ですが、変な怪人を嫌というほど見せられているのでもはや何も感じなくなりました。戦おうとするものの、薬か何かで頭クラクラのキレンジャー。とりあえずYTCを取り出すと、そこから偶然発せられた音波で軍艦仮面が苦しみだす。そこにコンドラーが現れ、どさくさに紛れて設計図は持ち出されてしまいました。先週はメインの脅威として出現したコンドラーですが、ただのお助け部隊に成り下がってしまったようです。

 

YTCが軍艦仮面の弱点を突けてしまうことに気付いたテムジンは大ちゃんを狙うことに。彼はお人好しだからなというパーソナリティ分析に基づいた作戦を企てます。一方の大ちゃんは自分がカレーを食べたせいで…と一人海岸で反省会。カレーに目がないっていう設定は分かるんですけど、そのせいで他の4人よりも一回りコミカルになっていますよね大ちゃん。他4人に比べてリアリティがあまりに希薄。でもそれが逆に子ども人気とかに繋がるんだろうなあと思います。そんな大ちゃんの前で身投げをする謎の美女。助けたところ「死なせてください」の一点張りで何と黒十字軍に追われているらしい。彼女をゴンに連れて行った大ちゃんに対して、他の面々がニヤニヤしてるのがいいですね。それに対してかっこつけようと焦る大ちゃんもかわいい。こういうイジられ方、ゴレンジャーではなかなか見ないので新鮮です。しかし、海城は美女は敵のスパイではないかと疑う。日輪に騙されたお前に何を言う権利があるんだ。あれでイーグル基地壊滅してるんだぞ。新命も赤面仮面の時のことを持ち出して忠告。前の回の話を持ち出すの、あまりなかったパターンですね。

 

敵地へ赴くも、美女を軍艦仮面に人質に取られてしまう大ちゃん。そこで身代わりを申し出て自分が捕まることに。YTCを出せないよう、キレンジャーの目を焼く…という恐ろしい対処法。というか捕まえた時点で殺してしまえばよかったのでは。それをしない辺り優しいですね。しかし、謎の美女の正体はやはり黒十字軍。サイボーグQとして大ちゃんを捕らえるために芝居をしていたようです。テムジン、何と言うロマンチックな脚本を書くんだ…!赤面仮面は偶発的な事故のようなものでしたけど、こんな風にわざと純情を弄ぶ怪人はさすがに許せないですね。テムジンと軍艦仮面、卑劣すぎる。結果、十字架に磔にされるキレンジャー。他の4人が助けに来るものの、空飛ぶ戦艦が登場してピンチに。何だよ空飛ぶ戦艦って。前回コンドラー部隊があんなに活躍してたのにもう別の兵器を使うんですか。バリブルーンに攻撃する戦艦。しかも黒十字総統自らが戦艦に乗っている。この前の第35話といい、少しずつ総統のお出掛けが増えていますね。このままではイーグル基地が全滅してしまう…!というほどのピンチに陥る。

 

救助された大ちゃんの病室にお見舞いに来る女。は~本当にこのラブロマンス最高すぎますね。やっぱり怪人とヒーローはバンバン恋愛するべき。今回は大ちゃんの純情とサイボーグQの罪悪感が強く出ていてすごくよかったです。サイボーグQを説得する大ちゃん。そこで服を破り「改造人間なの!」と悲哀を訴えるQなんですが、サイボーグって呼ばれてるのでさすがにそれくらいは分かる。軍艦仮面の砲撃に巻き込まれ、致命傷を負ってしまうQ。胸元から取り出したのはなんと、奪われたはずの設計図でした。絆は生まれないかと思っていた矢先だったのでこれは素直に感動。そしてバトルに突入するも、キを女の元に残してくれるアカの優しさが際立ちます。大ちゃんは目を焼かれましたがあっさりと回復してしまったようで、YTCで反撃。超低周波を使えというQの指示の下にやってみると、苦しみだす軍艦仮面。そこに打ち込まれるゴレンジャーストームはまさかの初期バージョン。ドラマをシリアスにしたらニューパワー作戦って犠牲になるんだ…という気付きを得た回でした。空飛ぶ戦艦からの砲撃が始まるもYTCで見事破壊。最近YTCが無双していますね。重販促期間なのでしょうか。切ないラブロマンス回、大ちゃんが主役というのもよかったです。

 

 

 

 

第37話「真白い閃光! 黒十字総統の正体」

真白い閃光!黒十字総統の正体

 

サブタイトルから驚きですよね。黒十字総統の正体!?確かに気になりますがやけに急に出てきたなあという印象。イーグルのスパイが黒十字軍から脱走を図るも、コンドラーに襲われるところからスタート。コンドラーの爪で車体ごと掴んで空中で落とすやつ、マジで怖い。前はゴレンジャーだから助かってたけど、さすがにイーグルのスパイくらいでは死ぬしかなかったようです。しかし情報はしっかりとゴレンジャーに渡る。このスパイ、命を懸けてまで…!そして江戸川総司令、まさかのゴンでカレー教室を始める。カレーが食べられるということでなぞなぞにも即答する大ちゃん。今回多分江戸川総司令の作戦が光る回ということもあって彼のパーソナリティを強調する狙いだと思うんですが、あまりに唐突だったので驚いてしまう。なんだろうな…マスターは仮の姿なんだからいらなくない?でも日常生活を楽しんでいそうなのはいいことですね。しかしあの大ちゃんですら女性陣が作ったカレーには「しょっぱい」などのネガティブな意見を。それでも完食するのが大ちゃんのいいところ。

 

スパイが命を懸けて送って来た情報は、秘密結社ブラックホールと黒十字軍が手を結ぶというものでした。やっぱり黒十字軍以外にも悪の結社がある世界なんですね。新命によると世界各国に支社を持つエージェンシーらしい。悪の組織同士が手を結ぶのはアツい展開ですが、ブラックホールを一切知らないのでさすがにテンションは上がらない。しかし、総司令たちはそこに総統が出席することから、総統を倒せる大チャンスだと確信。ゴレンジャー総力戦、緊張感がありますね!偵察に行ったゴレンジャーを待ち受けていたのはフォーク仮面。挑発に乗りやすいしフォークがモチーフというのもやっつけ仕事感がすごいんですが、モモの爆弾は効かないし、アカを負傷させるなどなかなか強い。ただ今回のエピソードは黒十字総統に比重がいってしまっているので、フォーク仮面は割を食ってしまったかなという印象。他の怪人に比べてちょっとキャラが弱いですね。もっとビジュアル面でのインパクトを狙いに来てほしかった。4機に戻った様子のコンドラーの助けによって、フォーク仮面は撤退します。

 

情報を受け、将棋を指しながら作戦を練る江戸川総司令。今回江戸川総司令周りのキャラ付けがどんどんなされていく。でも重鎮感が出ていていいと思います。そして考えた大胆な作戦とは…、なんとブラックホールに変装して会に出席するというもの。ブラックホール、黒ずくめでとんがり帽子は明らかに悪の組織という服装。というかちょっと襲っただけで変装できちゃうような組織、早く壊滅させちゃいなよゴレンジャー。海城、大ちゃん、明日香、総司令が変装しペギーはなぜかトランクの中へ。2回もある通行証の提示をクリアし遂に総統と接触するゴレンジャー。最近お出掛けが多いと思ったら遂にゴレンジャーの前に姿を現すとは…!黒十字総統曰く、人間たちは食べて親交を深めるそう。確かにそれはそうですね。ということで人間の真似をして食事会を開いたらしいです。あんまり人間には詳しくない設定なのでしょうか。ここでフォークを出してくるフォーク仮面、本領発揮です。総統はブラックホールが用意した水爆ミサイルをコンドラーに搭載して東京を襲撃する作戦を話してくれる。東京と聞いてゴレンジャーの顔が強張りますが、いつも狙われるのは大体東京だからそんなに驚かなくていい。

 

我慢ならぬといった形で総司令が小銃を総統に向ける!総司令、マジか…。仮にも敵のボスをそんな小銃で倒せると思ってるのか…。しかし実はその正体はゾルダーで黒十字軍はこの作戦を見破っていました。逆にフォークで人質に取られる総司令。これはいくらなんでも舐められすぎている。発進した水爆コンドラーを迎え撃つ新命のバリブルーン。確かに触れたら終わりの水爆に対しては下手に手が出せない。でも凍結させてそのままロケット噴射のマジックハンドで宇宙へ持っていけば余裕。マジで何でもできるなバリブルーン。またコンドラーが1機死にました。

 

怒ったことでゴレンジャーの死刑執行が決定。しかし、なんと捕まったゴレンジャーは替え玉ゴレンジャーだったのだ!え、替え玉ゴレンジャー!?百歩譲ってその存在を許すとしても、さっきまでどう見ても海城達でしたけどね…。現れる本物をフォーク火炎で迎え撃つフォーク仮面。フォークから火が出るのはモチーフを無視しすぎている。フォークを差し出してくれた以外はほとんど個性のない怪人で、ゴレンジャーストーム ビューとフィニッシュであっさりと倒されてしまう。レッドビュートで敵を捕らえた上で、それに沿ってストームを打ち込む技。勢いが削がれちゃっている感じがしないでもない。実は生き残っていたブラックホールにはブルーチェリーをお見舞い。これで壊滅したということなのでしょうか。そしてゴレンジャー達は総統との決戦へ。しかし、白い布を取るとそこにあったのは強烈な光を発する目!いや白い布取られたらさすがに終わりだろ!でも総統の強さが明らかになったのはいいですね。その隙にロケットで逃走するテムジンと総統。で、結局替え玉ゴレンジャーは何なんだろうと思ったらイーグル本部の特殊精鋭隊が変身していたらしい。これって力もゴレンジャーと同等なんでしょうか。でもだったら捕まらないかあ。第2、第3のゴレンジャーを作るという辺りが、他のヒーロー作品と違うところですね。明朗快活な作風だからこそできる増やし方だなあと思います。仮面ライダーは増えると悲しいですもんね…。

 

 

 

第38話「青い断崖! 悪魔の海賊宝さがし」

青い断崖!悪魔の海賊宝さがし

 

4話ぶりの曽田脚本による、前後編の前編。話が繋がっているエピソードに曽田さんが入るのは初めてなのですが、出てくるゲストキャラクターの味付けがいい感じでした。脂がのっている。黒十字軍に追われる男に地図を渡されるペギー。その男はホテルの部屋番号を言ってそのまま息絶えてしまう。海賊仮面率いる黒十字軍は地図に示された何かを目的としてその男を追っていたよう。色々調べた結果、ゴレンジャーは米子に向かうことに。ここから米子ロケ編が始まります。前後編になったのは遠方ロケだったからなのかもしれない。

 

人間に変装した海賊仮面はバスでゴレンジャーを追う。何故か和装だし大勢のゾルダーが学生服に変装しているのでめちゃくちゃ目立っています。仮に黒十字軍じゃないとしてもなんの集まりなんだよこれは。ゴレンジャーは黒十字軍を欺くために、ロッカー等で小芝居を施す。しれっと看板を出して特別室に誘導する海城。特別室と書かれた矢印を至る所に貼り付ける大ちゃん。一つ一つの工程は地味なんですが、この一生懸命加減にはほどよい緊迫感がありますね。海賊仮面は足が疲れたと言って下駄を脱ぐ。そりゃあ下駄履いてたら疲れるだろ、何で和装なんだよあんたは。そしてゴレンジャーの作戦は見事成功。通信もできず爆破も不可能な部屋へ黒十字軍を閉じ込めました。ホテルの一室なのにそんな部屋を作れるんだ…。それにしてもホテルウロウロタイムがやけに長かったですね。しっかりお金くれるスポンサーなんだろうな。

 

一方のペギーは死んだ男から聞いた部屋へ。そこに居たのは十兵衛と名乗る男。まさかのアトランティス号編で清水博士を演じたのと同じ役者さんでした。轟謙二さん。長編の場合はこの人を出さなければいけない決まりでもあるのでしょうか…。清水博士が息子にも慕われるいい父親兼科学者だったのに対して、この十兵衛は結構クズ。500年前の海賊の子孫で、最初に倒れた男は彼の兄だそう。しかし十兵衛が持っていたもう半分の地図と照合してみても、目的地らしきものは表れず。ペギー以外の4人はそろそろ薬が効いた頃かと部屋へ突入。しかし海賊仮面は海中に潜ることもあるため、常に酸素ボンベを携帯していた!いや海賊モチーフに忠実な任務ばかりやってるのかこの人…。そもそも海賊って潜るの?なんて思いましたが、別にいいです。そこでキがあっさりとやられてしまう。

 

どさくさに紛れてペギーから逃げる十兵衛。海城がゾルダーを尋問したところ、黒十字軍の狙いは重力兵器を作り世界を混乱に陥れるアルファ計画だった。地図が何を示すのかという点が物語を引っ張っている作り、やり口が第26話で偽物のウィスカーが輸送されていた時と同じですね。曽田脚本は物語の軸がゴレンジャーにも黒十字軍にもない斬新な回を見せてくれるので楽しいです。地図には重力兵器を完成させるための何かの在処が書かれているそう。そして地図に温泉を浸す十兵衛。海城に見つかるも、「わしの宝だ!」の一点張り。マジでうざい…。清水博士と同じ役者さんとは思えないくらい殴りたくなりますね十兵衛。しかしあっさりと海賊仮面に地図を奪われ、宝を手にするためにバイクで出動する海城に同乗する十兵衛。

 

いざ目的地に行くと、宝箱がマジで分かりやすい!これでもかというくらい宝箱!地図とかいらないでしょこれ…。そこでバトルが始まるのですが、間違えてテムジンに砲撃してしまう海賊仮面。目が開いて砲弾を飛ばすの、ちょっとした海賊らしさがにじみ出ていて好きですね。火力も強そう。しかし目で攻撃してくる怪人には、アオのブルーチェリーをお見舞いするのがお約束。そしてゴレンジャーストームは錨!ここに来てまさかの敵モチーフに忠実なニューパワー作戦が登場しました。モグラとか桃太郎とか言っていたのが信じられない…。でも海賊に対して錨はただの連想ゲームな気もしています。倒されるのを見て「海賊仮面らしい最期だった」とつぶやくテムジン。それって錨だったからなのかな…。一方で宝を狙う十兵衛はなぜか宝箱ごと宙に浮いてしまう。中身は500年前に地球に落ちてきた隕石。しかしそのままどこかへと飛び去っていく…。刺激的な前後編の前編でした。

 

 

 

第39話「真赤な日本海! 怪隕石の超能力」

真赤な日本海!怪隕石の超能力

 

前後編の後編。またしても曽田脚本です。連続で曽田さんの登板ということ自体が初ですね。宝箱の中身が石ころだったことにガッカリする十兵衛。前回はあまりに態度が悪く一切好感など持ちようのないキャラクターだったのですが、今回は汚名を返上するかのように活躍を見せてくれます。なくなった隕石を拾ったのは岩面仮面(いわづらかめん)。仮面って言ってるんだから岩面なんていちいち言わなくていいだろ!という赤面仮面の時も思ったツッコミをしてしまう。岩仮面でもいいような気がしましたが、確かにモアイの石像をいくつか繋げたみたいな「岩の顔面」の仮面怪人です。ゴレンジャーが隠れても正確に場所を言い当てる能力を持っており、どうやらいくつか岩の顔面が付いているということで、かなり視野が広い様子。バトルのドタバタの中でテムジンは隕石を持ち出すが、アオがバリブルーンで出動。車で逃げるテムジンを空から襲います。容赦がない。というかテムジン、こういう時こそコンドラーを使ってくれ!しかし取り返した隕石の不思議な力でバリブルーンは操縦不能に。そのまま海へと墜落してしまいます。

 

海に浮かぶ新命を救ったのはまさかの十兵衛。夢を失った男は正義の心に目覚めたらしい。しかし岩面に待ち構えられており、隕石を持って十兵衛は逃げることに。戦いの最中、黒十字軍にやられてしまうが、せめて隕石だけはと海に放り投げる。前回あんなに嫌なおじさんだったのにちょっと株を上げに来たのはさすがに…という思いもあるけれど、まさか死ぬとまでは考えていなかったので同乗してしまいますね。その隕石を拾ったのは子供たち。そして子供たちは隕石を真っ二つに割り、中の石を取り出す。何故かそのままフラダンサー達に隕石を渡すことに。ここで脈絡なくダンサー達が隕石を受け取るの、普通に事故だろ。ここです、とゾルダーに案内された岩面仮面。前回海賊仮面が誘導されたホテルと全く同じ場所なんだよな…。さすがスポンサー。海城達も同じホテルで催しを楽しんでいると、ダンサーの変な帽子に石が取り付けられていた!そんな綺麗だからっていきなり一人の帽子にくっつける馬鹿があるか??帽子をスムーズに回収するため、ペギーがダンサーに紛れ込む。しかし結局石はゾルダーに奪われてしまう。

 

一方、海岸に打ち上げられた新命。打ち上げられたパターンなのに海側が顔で倒れているのちょっと斬新ですね。しかしどうして新命だけこんなにひどい目に遭わなくてはならないのだろうか…。ペギーなんてダンスしてるのに。そんなところにまたしても襲い来る黒十字軍。新命が一人でボロボロだとどうしても他のヒーロー作品のように思えてしまう。あとピンチ感がすごく伝わってきますね。しばらく応答しなかったバリブルーンですが、時間を掛けて新命の元に到着!そして完成した重力兵器。まずは手始めに米子市を壊滅だ~という岩面仮面。いつもなら東京なのに、地方ロケだからって!キの頭突きに頭突きで返し、モモの爆弾も通用しない岩面仮面。というかモモの爆弾って基本相手にダメージを負わせることがあんまりない気がする。ゾルダーなら蹴散らせるけども。アカレンジャーは新技アミビュートを繰り出す!ゴレンジャーにおいて無敵の武器である「網」を遂にアカレンジャーが…!網で捕らえられないやつなんかいないですからね。そしてブルーのチェリーミサイルであっさりと重力兵器を破壊。あんなに頑張って石の奪い合いを繰り広げたのに、完成したら一撃だなんて…。ゴレンジャーストームはハンマー。相手が岩だからでしょうか。曽田脚本、敵モチーフに忠実な必殺技を出してくるのが素晴らしいですね。いや脚本家が決めているのかは分かりませんが…。宝探しからの隕石というSF。米子ロケでいつもとは違う風景の中での戦いも面白い前後編でした。

 

 

 

第40話「紅の復讐鬼! 地獄のモモレンジャー

紅の復讐鬼!地獄のモモレンジャー

 

もう40話台に突入したんだ…と思うと感慨深いです。1日2話ペースで観ているので大体20日。今回の怪人は鉄カゴ仮面。映像でゴレンジャーの研究を行い、バリブルーンとゴレンジャーストームが彼等の切り札であることを突き止めます。まあそれくらいはこっちも分かっているんですけども。アラビア砂漠の魔王と呼ばれる彼は、テムジンともライバル関係にあるらしい。かなり生意気な口を叩くので、おそらく敬語は使っているけどいつかそのポジションを奪ってやるからなと野心に燃えているのではないでしょうか。首が回転するギミックはあるものの、見た目のインパクトにはやや欠ける印象。

 

ペギーと明日香が定期パトロールをしていると突然辺りに濃い霧が。はぐれる2人。霧が出るというだけで何となく怪奇色が濃厚な気がしてしまう。実際かなり精神的にペギーを追い詰めてくるので少々暗めの回であると言えるかもしれません。ペギーの前に現れた鉄カゴ!光る額、そして放たれる催眠光線によって眠らされてしまう。アジトに戻りペギーに対して「ゴレンジャーは敵」と洗脳を施す鉄カゴ仮面。ペギーが狙われる回って第16話の時もそうですけど、どうしてもちょっとホラー風な味付けになっている気がします。女性一人が狙われるというのがそもそもホラー映画のフォーマットに近いのかも。Jホラーを観ているような面白味があるんですよね。消えたペギーを追って海城と大岩が捜索を始める。明日香がやられなかったことを不審に思う海城。でも確かに明日香も一緒に洗脳したってよかった気はする。新命はバリブルーンでペギーを発見。しかし夢遊病患者のように様子がおかしい。意識朦朧とした女性キャラというだけでもうちょっと怖い。

 

そこでまた霧が現れ、鉄カゴ仮面が登場。あの霧って頭から出てたんですね、ちょっと残念。一向に転換しないペギー。「転換」っていう言葉が出てきたのは劇中では初めてかもしれません。いや繰り返されるから印象に残っただけで、実は前も言ってたかも。鉄カゴ仮面は瞬間移動までこなし、鉄カゴベルトなる技でキとミドを拘束。攻撃系の技はそんなになさそうだけど、トリッキーな技で翻弄してきます。しかしアオのブルーチェリーの前に撤退。でもコイツの作戦はここから。ペギーがバリブルーンに乗った途端に催眠発動!爆弾でバリブルーンを爆破させるよう仕向けます。確かにペギーを洗脳すればゴレンジャーストームも用意できないし、ついでにバリブルーン破壊させれば一石二鳥。洗脳できるならもっとやれよと思わなくはないですが、割と良い作戦ではあるかもしれません。

 

しかもペギーはモモレンジャーにすらなれない。転換の時には体に10万ボルトの高圧電流が流れるらしく、それに耐えるために精神統一が必要とのこと。そんなきついんだ、転換って。今までよく耐えてきたなあ。そんな中でイーグル第3兵器庫が襲われたという連絡がはいる。マジでイーグルの基地は常に正面突破でやられてるのなんなんだよ。奇襲とかなら分かるんですけど、普通に正面から車で突入されてるのさすがにやばい。しかし今回はコンドラーも参戦。曽田脚本の前後編では全く出てこなかったので嬉しい。いなくなってしまったかとも思っていましたが、4機目が再度復活していました。

 

転換できないペギーは総司令とひたすら柔道。総司令に何度も投げられる怒りのパワーで転換のきっかけを掴む作戦に。なんだその作戦。それにしてもめちゃくちゃ投げられるのであまりに面白くて笑ってしまう。投げられることもそうですが、こんなことに時間を費やす総司令に怒っちゃうかもしれない。あと精神統一ができないってなんなんでしょうね。洗脳ってそういう部分にも影響を及ぼすのかな。カレーやコーヒーでペギーを励ます大ちゃん。その優しさが逆に心の痛みとなったのか、ペギーはたった一人で黒十字軍に乗り込む決意をする。アホか?ゴレンジャー、自分の失敗を自分で取り返そうとするといつも単独行動になるのが怖い。5人揃わなきゃいけないんだって海城に諭された後で敵地に乗り込むとは。でもどうにか挽回しなきゃって気持ちはよく分かりますね。

 

ペギー松山の能を舞いたいという申し出にウキウキの鉄カゴ仮面。一方のテムジンは「ひっ捕らえてぶちこんどけ!」と命じるが、鉄カゴは「能もまた一興と存じますが」と総統に進言。ここ本当に意味が分からないですね。ペギー、何で能を舞おうと思ったのか。別に能が何か鉄カゴの弱点に繋がるわけでもないし。それでいて結構長尺で能を舞うのが面白すぎる。総統もさすがに怒って「やめろ、やめさせろ!」と怒鳴り、鉄カゴはペギーが正気だったことに気付く。「貴様、正気だな?」って能を舞うの全然正気じゃないだろ。それとも能を舞うということ自体が催眠かかってるっぽいからそれを利用していたのでしょうか。どちらにしてもこの作戦は面白すぎる。

 

結局鉄カゴ仮面の催眠は既に解けていたということだそうです。あんなに総司令に投げられてたもんね…。きっかけは分からないですがそういうことと言われたら従うしかない。腰に時限爆弾を巻いて総統もろとも自爆を図るも、襲撃を受けた総統は目が赤く光る髑髏の姿となった後に消えてしまう。総統、一体何者なんだ。そのまま檻に捕まってしまうペギー。爆弾こそ解除できたが部屋の至るところから火炎が放射されこのままではやられてしまう…!そこに現れた4人の声掛けによって見事転換に成功!そしてバトルへと突入します。自信満々だった割にバトルではあまり強くない鉄カゴ仮面。多分どちらかと言うなら知能犯タイプだったんでしょう。洗脳なんて強い力を持ってる分、肉弾戦は弱いのかもしれない。ゴレンジャーストームは手毬。手毬が鉄カゴにフィットしてしまうが、あれだけ舐められたテムジンは頼まれても決して助けようとはしません。着弾から爆発まで余裕があるので、全然助ければ復帰できたパターン。

 

 

 

というわけで第8回、36話から40話まででした。

ちょっとずつ黒十字総統にゴレンジャーが近づいていってるんですよね。逆にテムジンの存在感が希薄になってしまっていたかも。キとサイボーグのエピソードに加え、曽田脚本の米子ロケ前後編など、盛り上がりも多くドラマ色の強いパートでした。

そして個人的に嬉しかったのはこれを書いている辺りでスーパー戦隊シリーズの挿入歌がサブスク解禁されたこと!ゴレンジャーももちろん入っているのでいっぱい楽しもうと思います。

 

青い空からアオレンジャー

青い空からアオレンジャー

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