スーパーヒーロータイム語り ギーツ第6話・ドンブラ ドン32話

仮面ライダーギーツ 第6話『邂逅Ⅴ:逆転のブースト

 

バッファ編の後編。もうバッファを好きにならずにはいられないというか。一見とっつきにくくて人間嫌いな彼の、どうしても譲れない部分みたいな人間性が垣間見えて、とても良かった。ギーツが最強キャラで俺様キャラなせいで、ライバルであるバッファがどうしても可愛く見えてしまうのは仕方ないのだけれど、その可愛さを存分に発揮してきた感じ。「勘違いするな」まで言ってしまって…。これ意外と今後バッファが景和を救って脱落とか、そういう可能性もあり得るのでは。

 

一番良かったのはやっぱりビーチブースト。『ギーツ』という作品はこれまでそこまでトンチキなギャグはやってこなかったというか、微笑ましいギャグが適度に挿入されているような印象だった。でも今回のビーチブーストは、あまりにニチアサの手つきで笑ってしまう。ここまでクールキャラを一切崩さなかったバッファ。先週ようやく「何か事情があるようだし、職場の人と仲良いんだ…」と意外な一面を見せてくれたのに、もう馬鹿をやってくれるとは。海水で適度に砂を固めたんだろうな…とか思うと余計に面白い。

 

でもこのビーチブースト、ギャグ以上にちゃんとした道長の正義感をも示しているみたいで。セリフで直接説明はなかったけど、やっぱりメリーが景和からブーストバックルを盗んだ形というのが許せなかったんだろうなあ、と。戦いにおいて周りを蹴落とすような卑怯なことはしたくなくて、でもブーストバックルがある方がどう考えても有利だから、何か納得できる方法で手に入れたいと考えた結果が、あんなに馬鹿な方法なのかと思うと余計に愛おしい。他のライダーをぶっ潰すという物騒な世界を作る目的ではあるけど、それには非道なライダーのせいで親友を失ったという背景があって。だからこそ、他のライダーを信用することはできない。でも、スポーツマンシップみたいなものはちゃんと感じられるのが、すごくキャラ造形がしっかりしててよかった。「ビーチブーストって何!?」って誰も言い出さない空気感なのも最高だった。

 

後は地味に景和とパンクジャックのペアが良い味を出していたように思う。景和はやっぱり何かに巻き込まれてる時のあたふたした感じが絶妙に似合っている。実力こそありそうなものの、圧倒的に協調性の低いパンクジャックとのペア。変身すらキメさせてもらえないのがあまりに可笑しい。だからこそ、パンクジャックがここであっさり脱落してしまったのは残念。もちろん運営スタッフ枠だから、パンクジャックが勝ち残ったとしても次回は出てこないのだろうけど。彼の正体に一切触れられず、誰一人気にしているような気配すらなかったが、今後はどういう扱いになるのだろうか。

 

今回の脱落者はメリー。冒頭で急にメリーの過去が明かされたことで、「あ~今週こいつ消えるな」という予想はできたが、あべこうじの演技が結構好きだっただけに残念。卑怯なやつではあったけど、どこか憎めない愛嬌も持っていた。ギンペン、ダパーン、メリーと、順当にメインメンバー以外が消えていったので、ここからのバトルこそが本命みたいな感がある。最初に消えるのは…バッファかナーゴだとは思うのだけれど、一気に消える可能性がないわけでもない。デュオを組んだ道長がやられても、仲良くしてる祢音がやられても、景和は結構悲しんだり暴走したりしそうなのでそこは楽しみ。

 

英寿やゲームマスターの台詞からして、デザイアグランプリというのは仮面ライダーに相応しい人物を探すための催しのようにも思える。ただ、優勝者が理想の世界を作れるというと、卑怯で姑息な人間も生き残れてしまうシステムなので、その辺はどうなのだろう。英寿が結構正義感強いし弱者の味方感あるおかげで成り立ってるような感じもある。それとも力こそが正義みたいな団体なのだろうか。

 

道長に関してはかなりライダーを嫌っているけど、景和とは普通に話しているし、何か仲良くなれそうな感じもある。そもそも人を蹴落とすことを向いていないと自覚する景和こそ、道長の考える理想的なライダーの姿なのかもしれない。とはいえ遠慮していて勝てるゲームでもないし、景和はまだまだ未熟な点が多すぎるので、その塩梅は気になるところ。

 

アクション面では、バッファのブーストがとにかくよかった。タイクーンとの同時攻撃の長回しカットは最高。ハリウッド映画とかではたまに観るが、ニチアサでこんな映像が観られるとはという驚きがあった。演者さんは全員静止して、バッファの髪なんかも針金を入れて躍動感を演出していたらしい。意外と古典的なのだが、むしろ斬新なカットに見えるので本当にすごい。欲を言えばもっと一瞬でもよかったというか、何か「このカットすごいだろ~~~~!」というのを言いたいがあまり、ちょっと冗長に感じてしまったので、もっとパリッとした仕上がりだとより好みだったかも。『ギーツ』の代表的な演出として、これからもっと使っていってほしい。

 

後はギーツが必殺技を出した時に出てきた赤いキツネが、バッファだと牛になっていたのも嬉しかった。言うて角がある程度の違いなのだが、せっかく動物モチーフでたくさんライダーが出てくるのだから、あのキツネは各ライダーに応じて変えてほしいと是非思っていたので。マイナーチェンジなのは悲しいが、各ライダーっぽさが出てるのはとても良かった。ギーツのハンマーとマグナムの必殺技も独特で最高。多人数ライダーで同じフォームを使いまわすシステム、やはり各ライダーの個性が色々出ていて毎週楽しめるのが強みだと思う。

 

次週はラスボスと言っていたし、そろそろ今回のデザイアグランプリが終わるのだろうか。残る4人はメインメンバーなので、脱落者の予想がどんどん難しくなってくる。ニンジャバックルなる新たなアイテムも登場するので楽しみ。各キャラクターの紹介が終わったところだし、ここからどう展開が広がっていくのか、期待したいところ。

 

 

 

 

 

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン32話『けっとうソノ2』

ドンブラザーズは毎週楽しんで観ているし、本当にこの日曜日の30分のためだけに日々を生きていると言っても過言ではないほどに好きな作品なのだけれど…。正直今回はあんまり楽しめなかった。何よりきつかったのはドン27話の天丼になっていながら、それほどの驚きがない、というところ。

 

サブタイトルからも、ドン27話を擦ろうとしていることは明らかで、確かにドン27話は色々とギミックも駆使されていてソノイを倒すという衝撃的なオチもあるし、でもソノイに宅配手伝わせるみたいなトンチキもちゃんとあって、まあツッコミと情緒が追い付かない、本当に大好きな回だったから、擦ること自体は全然アリだと思う。

ただ、なんというか、ドン27話の面白さを活かして何かをやるというのではなくて、ドン27話をなぞっただけに思えてしまった…。復活したタロウ成分の強いソノイも予告で丸出しだったし、特に先週のイヌブラザーの正体の件をああまで隠し通した作品だからこそ、ただの天丼をやるわけがないだろうという期待もしていて。もちろん決して嫌いなわけじゃないし、あの忍者おじさんを何度も出すとか、その母親がタロウから一本取ったおばさんだったとか(山口監督のキャスティングらしい)、そういうアホな点は本当に好き。ただ、どうしてもその、「期待を裏切らず上回る」というドンブラザーズの良さが、死んでいたように感じてしまった。

 

ブラックオニタイジンムラサメ初登場をさらっとやる辺りは本当に敏樹的で好きだし、ソノイとタロウが剣を交えた時のソノイの台詞「空と海は互いに向き合い、決して交わることはない。だが、どちらも青い!」みたいな表現も本当に良かった。いやしかし、タロウ成分をふんだんに宿したソノイが復活してもタロウは「お前は誰だ」とか違和感満載で見向きもしないかと思ってたので、この展開は意外。タロウ度が強すぎることに関しては、次週まだまだ言及がありそうなので、その辺りは期待したいところ。

地味にタロウの父親が久々に登場していて、ジロウの2つの人格を統合させればタロウに並べるのではという話をしていた。どっちかが吸収される展開も、一切そんなことをせず共存する展開も両方ありそう。ジロウの人格の話は敏樹が飽きてたという話も聞いたし、ムラサメとの会話でもう終わりかと思っていたので、まだもう一展開ありそうなのは嬉しい。

 

次週はタロウが復活し、ゴールドンモモタロウにパワーアップ。オミコシフェニックスって本当に面白いネーミングだなあと感心してしまう。ドンブラザーズはロボや新戦士初登場すらも全然意識させてくれず、とにかくさらっと新アイテム新ギミックを出してくるが、ここに来てタロウ復活という大舞台にパワーアップ回を持ってきたの、めちゃくちゃ素直で笑ってしまう。闇ジロウが葛藤していたり、マスターが変身していたり、犬塚がみほと接触していたりと、予告ではとにかく気になるところが盛沢山。今週ちょっと違和感があった分、来週には期待したい。