邦画
映画『変な家』の公開に際して最も期待していたのは、この映画の予告編をもう劇場で観なくてもよくなる、という点だった。予告編ラストの「マジモンじゃねえかこれ!!」というセリフを劇場で聞くのがすごく恥ずかしかったのだ。「マジモン」なんて変な言葉…
数か月に一度公開されるコメディ風の時代劇映画がかなり好きになってきている。直近だと神木隆之介の『大名倒産』だろうか。戦が云々という血生臭い話よりも会話劇の面白味に注力したり、展開のテンポが早かったりと、時代劇に馴染みのない若者にも受け入れ…
『夜明けのすべて』は事前に原作を読んでいて、その評価の高さを全て宣伝なんじゃないかと疑ってしまうほどに自分に合わない作品だった。主人公の藤沢と山添の2つの視点から語られていくこの物語は、違う病気を持つ2人が、病気は違えど悩み苦しんでいる境遇…
『ゴールデンカムイ』の実写映画を観てきた。原作に没頭した自分としてはかなり思い入れの深い作品。とはいえ、別に実写化映画が嫌いというわけではなく、むしろ漫画やアニメのメディアミックスは積極的に観に行く方なので、2024年公開の映画の中でもかなり…
『ある閉ざされた雪の山荘で』の東野圭吾による原作は、1992年に発売されている。つまりは22年越しの映画化。原作にはスマートフォンはおろか携帯電話すら登場していない。小説が映画の原作になることは難しくないが、20年以上前の作品となると話は別である…
上映順的にこの『笑いのカイブツ』が2024年の映画初めになったのだけれど、年明け5日目から大の大人が劇場の中心の席で咽び泣いてしまった。本当に嘘偽りなく岡山天音と同じくらい泣いてしまったかもしれない。好きなものに対してどこまでもまっすぐなのに、…
サイコパス VS 殺人鬼 このフレーズだけ聞くと一時期流行した「舐めてた相手がヤバい奴だった系映画」かと思うが、『怪物の木こり』の実態はそこから連想されるものとはかなり異なっていた。連続殺人鬼が狙った相手が偶然にも平気で人の心を理解しないサイコ…
なるべく原作小説を読んでから映画を観たいタイプの人間なので、大体映画化を知ってから小説を買って読んで挑むということが多いのだけれど、この『法廷遊戯』は発売直後に買って面白かった作品なので思い入れも深い。映画公開直前に改めて読むと「これめっ…
皆さん…朗報です!!! 『真・鮫島事件』『きさらぎ駅』の永江二朗監督がまたやってくれました!!!! いつの間にかシリーズ化していた「ネット怪談実写化シリーズ」。それを牽引しているのがこの永江二朗監督で、今回も『きさらぎ駅』のスタッフが集結。今…
最初に一言だけ言うと、「犯人は誰?」とか「親子の確執」に焦点が当たるような作品ではないのかな…という印象だった。最後の親子のやり取りでこの映画がやりたかったことは明確になるのだけれど、だとしたらちょっと積み重ねが弱いよなあ、と。それにこの手…
とんでもない作品が世に出てきた。『ミンナのウタ』、本当にすごい。すごく怖い。「GENERATIONS全員本人役で出演!」なんて触れ込みで客を入れようなんて考えた人は誰ですか?そんなキャッチーな宣伝にした判断、大正解すぎる。「えー、GENERATIONS出るのか…
去年の今頃はウタの『新時代』が大流行していたが、2023年は「しん次元」。毎年恒例の映画クレヨンしんちゃんだが、今年は何と全編3DCGという大冒険に出た。監督は『モテキ』や『バクマン。』などの大根仁監督。しんちゃんの映画は毎年ラストに翌年の予告を…
『刀剣乱舞』という作品は名前しか知らず、以前の実写映画さえスルーしてしまった人間である。しかし公開後に特撮ヒーロー好きの間で「これもうニチアサだろ!」と話題になっており、ちょうど映画新作の公開のタイミングということもあり、ひとまず1作目を鑑…
週に数回映画館に通っている自分でも、普段こういう”いかにも”な邦画というのは観ないのだが、何だか魔が差したというのと、ドラマ『silent』で目黒蓮にガッツリ心を奪われたのがあって、しかも上映から3日間特典が付くのなら行くか…ということで、原作も読…
2016年に公開された『君の名は。』が記録的なヒットを打ち立てたことで、一躍トップアニメ監督に躍り出た新海誠監督。そんな新海監督の最新作は、東日本大震災を題材にした『すずめの戸締まり』。九州の田舎で暮らすすずめという少女が、閉じ師の草太と出会…
もはや世界中で知られ、Jホラーを代表するどころか「ホラーと言えば貞子」と言えるレベルにまで成長を遂げた貞子。原作小説では3部作にて思いもよらぬその正体と進化が語られたが、『リング』からスタートした劇場版では、また別の発展を遂げ続けた。段々と…
『リング』の中田秀夫監督が送る!と聞いて、嫌な予感が脳をかすめる方も多いのではないだろうか。日本どころか世界中を席巻した貞子という存在。続編が何作も作られ、海外でリメイクまでされているのは、やはり原作にない「TVから出てくる貞子」というイン…
すごいものを観た!というのが取り急ぎの感想。日活ロマンポルノと言われてもポルノが好きというわけじゃないし、むしろ映画館で知らん人達とポルノ一緒に観るのってどうなの?とそもそもジャンル自体に懐疑的だったのだけれど、『コワすぎ!』から大好きに…
『キャラクター』というどストレートなタイトルと、色鮮やかで目を引くポスター。菅田将暉、小栗旬、高畑充希、中村獅童という名俳優が連なる中で、連続殺人鬼としてSEKAI NO OWARIのFukaseが出演している。セカオワはデビュー当時にこそ聴いていたものの、…
上映時間140分、ほっとんど地獄。Amazon Primeがオススメしてきたので快晴の休日にこの映画を観たのだが、数時間経ってもまだ心がどんよりしている。この世の地獄を塗り固めたような作品だった。もちろんそこにある希望に目を向けさせてくれるのだけれど、地…
度肝を抜かれた『STAMPEDE』からもう3年かあと、時間の経過をやけに早く感じてしまう。尾田栄一郎監修の下に作られる映画も気付けば5作目。しかも原作1話から登場していながら、その正体も出自も実力も全く謎に包まれているシャンクスを軸に据えた物語という…
悲惨な形で話題となってしまった『大怪獣のあとしまつ』。私も公開初日に観に行ったが結果は酷いものだった。面白いか面白くないか否かという問い以前に、何だかモラルや品性みたいなものを問われているような気がして、どうしても受け付けられなかったので…
『ドラゴンボール超 ブロリー』を劇場で観た時の衝撃は4年が経過した今でも鮮明に覚えている。フリーザ軍がサイヤ人を手中に収める冒頭、バーダックの登場などなど。原作では語られなかった物語で一気に引き込まれ、ただの暴走魔に留まらない魅力的な新解釈…
『船を編む』でも脚本を務めた渡辺謙作監督の最新作は、泳げない男(長谷川博己)と泳ぐことしかできない女(綾瀬はるか)の希望と再生の物語。 『はい、泳げません』と堂々と自身の欠点を曝け出すタイトルとあらすじから、長谷川博己演じる主人公の小鳥遊が…
2022年も後半に差し掛かろうとしているところだが、とんでもないJホラー映画がひっそりと誕生していたことをお知らせしたい。 恒松祐里初主演、永江二朗監督、宮本武史脚本。 それがこの『きさらぎ駅』である。 インターネット発祥の都市伝説の中でも最も有…
都市伝説に疎い私は「鮫島事件」なるものを全く知らなかった。ホラー映画やホラービデオはよく観るものの、インターネットで所謂「怖い話」を読むことはあまりしない。そのため、映画のタイトルを聞いた時も、「鮫島事件とは何ぞや」と、映画の登場人物よろ…
映画を観て涙を流すというのは結果論だと思っている。 そのため、泣くために映画を観るという感覚は私にはない。 だがこの『余命10年』、泣こうと思って鑑賞に挑む方も少なくないのではないだろうか。 年に2~3作品は公開されている印象の、闘病系感動映画…
選挙を題材にしたコメディと聞くと少々難しい印象を受けるが、この映画『決戦は日曜日』はそんな先入観を覆す圧倒的なゆるゆるコメディ映画。 倒れた父親の代理として候補者に祀り上げられた娘・宮沢りえと、そのじゃじゃ馬娘を補佐する秘書の窪田正孝の名演…